2017年12月23日土曜日

ガーディアン社説:カタルーニャの選挙で信任されたのは歩み寄ること


カタルーニャの独立を巡って双方の派閥が挑発的に振る舞ってきた。今週のバランスの取れた選挙結果はそれを改める機会である


The Guardian
Fri 22 Dec ‘17

今週のカタルーニャの選挙結果はスペイン政府には受け入れ難いものだった、木曜日(2017年12月21日)に投票が行われたこの選挙は10月に政府が同州を直接統治するようになってから実施を決めたものだ。マリアノ・ラホイのスペイン政府は独立機運が蕾(つぼみ)のうちに摘み取りたいと考えていた。しかし、独立派の重要なリーダー達が逮捕されたか追放されているにも関わらず、いや、もしかしたらそのおかげで、カタルーニャの新議会は独立を標榜する政党がやや多数を占める結果となった。しかし、独立派の政党にとってもこの結果は大勝利というわけではない。全135議席のうち70議席を獲得したが、支持率はかなり高かった投票率のうちの47.5%に過ぎない。カタルーニャの独立が信任されたわけではない。しかし、現状が信任されたわけでもない。

両派は独立問題を巡って挑発的に振る舞ってきた。マドリードは変化に抗って踏ん張っていたが、カタルーニャの独立派は10月1日に違法な住民投票を実施し圧倒的な独立賛成票を得たものの、この投票をカタルーニャの大半の人は拒否していた。ラホイ首相のスペイン政府はこの投票に過剰反応した。投票を暴力で阻止し、直接統治を課すことをきっかけにカタルーニャの政治リーダーたちを逮捕収監したのだった。今週の選挙結果でラホイ首相の政党が議席を半分に減らしたことは驚くようなことではない。

また、今回の選挙で中道の統一派である市民党が大きな波に乗り、第一党になったことも驚くべきことではない。この政党のリーダー、イネス・アリマダスが新政権を作ることにはなりそうもない。しかし、新政権はこの分断された時勢において彼女の成功から学ぶのが賢明だろう。新しい局面になり、新しい機会が訪れている。


もし両派が賢明ならば、今週の選挙の結果で過去を水に流し、議会政治を再開できるようにするだろう。マドリードの政府は直接統治を止め、収監されているか追放されているカルレス・プチデモンを始めとするカタルーニャのリーダーたちに恩赦を適用するべきである。しかし独立派も10月1日の独立投票は無効であることを受け入れなければならない。両者はあくまでスペインでカタルーニャ州がより自治権を認められ、スペインの多様性を象徴するような形で合意するために交渉をしなければならない。両派の強硬派は頑なに抵抗するだろうが、信念を持った歩み寄りこそが今の状況に求められているのだということが今週の教訓だったはずだ。

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