2017年12月11日月曜日

脳が疲れている時は右耳の方がよく聞こえる


「今左耳だからもっと大きい声で喋って!」


Science Alert
MICHELLE STARR
7 DEC 2017

あなたが何かを正確に聞きたい場合、あなたは左の耳よりも右の耳に音が入るように頭を傾けたくなるのではないでしょうか。

最新の研究によれば、多くのことが起こり脳が認知の負荷で疲弊している時、人間は音声情報を処理して保存するために右の耳に頼る傾向がある。これは右耳優位性と呼ばれ、既に私たちが知っているものである。1967年に初めて言及され、左脳と関係づけられた。左脳は定型発達の人なら言語を司る場所である。

1973年に研究者らは、5歳から13歳までの子供に右耳優位性を発見した論文を発表した。5歳の時までにはすでに存在しているというものだった。更に1974年にはリスニングの難易度が大きくなるにしたがって、右耳の優位性も大きくなることが発見された。

分離か統合の二分性のリスニングテストは聴覚障害を診断し、精神分裂症のような幻聴を生じさせる障害を理解する助けとしても使うことができる。テストではヘッドホンで両方の耳に異なる2つの音声情報を送り込む。これらは文章か数字を読み上げるもので被験者はどちらか片方(分離)か両方(統合)かを聞き取って、復唱することを求められる。

新しい調査はテストのために整えられた環境ではなく、人間が生活の中で経験する周囲のノイズや干渉のようなものの中で右耳の優位性は保たれるものかどうか特定することを狙ったものだった。

「厳しい環境でのリスニングと一般的な環境でリスニングとについてより多く知ることは、診断ツール、聴覚管理(補聴器を含む)、聴覚訓練、をより良いものにすることになるでしょう」と研究の著者である、アラバマ州オーバーン大学のダニエレ・サッキネッリ氏は語る。

右耳優位性は大人になっても維持されていることは明らかなのだが、著者はどの程度維持されているのかも特定したいという。これはどのようにして右耳優位性が発達するのかに起因する。私たちは両方の耳でやや異なった音を聞いていて、それらが聴覚機能の中で組み合わされるのである。しかしながら、子供の聴覚機能は複雑な作業で厳しい状態になった時、より強く右耳に依存する。

大人の聴覚機能は音声シグナルをより効率的に処理合成できるので右耳優位性は徐々に収まっていくのだと研究チームは記している。「歳を取るに従って、私たちは成熟と経験を重ねた結果として処理する情報に対する注意をより効率的にコントロールできるようになっているのです」と共同執筆者のオーロラ・ウィーバー氏は語る。

調査員たちは被験者として19歳から28歳までの41人の成人を集め、分離と統合両方のリスニングテストに参加してもらった。テストではヘッドホンを通して読み上げられるリスト上の項目の数を一つづつ増やしていく。

わかったことは、項目の数がその人の記憶容量以内であった場合には、参加者が供給された情報をどれだけ保持しているかということに右耳でも左耳でも違いがなかったということだった。

しかし項目の数がその人の記憶容量を超えた場合には右の耳で聞いた項目を覚えている能力が、左の耳から聞いた項目を覚えている能力を上回った。この改善の差異は平均して8%だったが、人によっては40%にも登った。

「従来の調査では右耳優位性は13歳の頃に減少することが示されていました、しかし私たちの今回の結果ではこれは課された要求の負荷に関係していることがわかります」

「もちろん、認知能力は、加齢、病気、または外傷によって低下する可能性があります。 したがって、リスニングに対する認知的負荷の影響をよりよく理解する必要があります。」

研究チームのこの調査結果はアコースティカル・ソサエティ・オブ・アメリカの第174回会議で発表された。

0 件のコメント:

コメントを投稿