2017年12月14日木曜日

ヒュンダイがライバルとの差を狭めるべくEV市場を強化


ヒュンダイと系列会社の起亜は2025年までに38車種を投入する
自動車市場は大気汚染を避けた新しいパワートレインを模索している



Bloomberg
Sohee Kim
13/12/2017

新型電気自動車の導入でライバル会社に遅れをとっているヒュンダイ自動車グループは、汚染対策による各国政府の化石燃料規制に合わせてバッテリー駆動車を増大させようとしている。

ヒュンダイ自動車とその系列会社である起亜自動車は、2025年までのこの先8年以内に38種類の環境対応車を市場に導入し、5年以内にそのうちの7種の新型車を投入する計画であるとイ・キサン上級副社長が金曜日(2017年12月8日)に取材に対して話した。その殆どがEV(電気自動車)になるという。現段階で市場の電気自動車はヒュンダイのアイオニック、キアのソウルだけであり、その他に水素燃料電池車のix35といくつかのプラグインハイブリッド車がある。

中国に代表される世界の各国が大気汚染との戦いによりガソリン車とディーゼル車からの脱却を準備しているため、この韓国の企業も新たなパワートレインの自動車を開発する世界的な競争の渦中にある。フォルクスワーゲン、ダイムラー、ゼネラルモーターズ、そしてBMWも同様に内燃エンジンからの移行に10億ドルを費やす覚悟で電気自動車を導入する計画を発表している。

「ヒュンダイは本来電気自動車の第一人者になるべきだったのに、今だに急いで追いかける側です」とソウル近郊の大林大学校で自動車工学を研究するキム・フィス教授は語る。「ヒュンダイはおよそ3年は遅れています」

同社が公開しているデータによれば、ヒュンダイと起亜で環境対応車の売上は9月までの9ヶ月間で186,000台である。

9月にフォルクスワーゲンは2030年までにグループ内の12ブランド300車種すべての電動版を製造すると発表した。GMは2020年までに電気のみで駆動する20車種を用意するとしている。ルノー、日産、三菱のグループは2022年までに純粋な電気自動車12車種の投入を計画している。ダイムラーは2022年までに10種類の電気自動車を発売する計画であり、BMWは2025年までに少なくとも12種類の完全な電気自動車を用意するとしている。

この変化が進む過程でヒュンダイはバッテリーさえも自身で生産しているが、同社は今だに市場展開に苦労している水素燃料電池車の技術に賭けている。同社はフィアット・クライスラーと水素燃料エンジンの製造について提携するために話し合いに入っている。水素燃料エンジンは熱と水だけを排出し、地球温暖化の原因となる気体を排出しない。

ヒュンダイは環境対応車の開発について柔軟性のある方法を模索しているのだとイ副社長は言う。

「世界に電気自動車メーカーは1200社くらいありますが、燃料電池車を作る技術を持っているのは3社だけです」と、同社で新エネルギー車開発部門を率いているイ副社長は語る。「我々は水素車が究極の方向性だと見ていますが、それにすべてをつぎ込むつもりはありません。電気自動車と水素燃料電池車両方を推進していくつもりです」

ヒュンダイは3月には欧州基準で800km(497マイル)走行可能な燃料電池による新しいSUVの導入を計画している。電気自動車については、来年に400km走行可能な電動のコナSUVを導入し、2021年以降にジェネシスブランドから500km走行可能な高級電気自動車を発売するとしている。

ソウル拠点で、エランタ、ソナタ、タクソン、などを作っているヒュンダイはアメリカでの売上低下対策として更にSUVを投入すると約束している。今年前半は中国でも地政学的な緊張関係と地元の販売店との軋轢により苦戦を強いられている。

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