2018年10月18日木曜日

ミサンドリーがヘイトクライムになる可能性がフェミニスト活動家を不安にさせる


イギリスで提案されている法改定案の下では男性への偏見が違法になる可能性がある。一部の女性たちは男性の権利活動家が彼女たちを黙らせるためにこの保護規定を濫用する可能性を恐れている


Broadly
Sirin Kale
Oct 18 2018, 2:16am

英国政府はヘイトクライム(憎悪犯罪)に関する法律を、初めてミソジニー(女性嫌悪)とミサンドリー(男性嫌悪)を違法とするように幅を広げる改定をしようとしている。しかし、一部の女性の権利運動家たちは、男性に対する偏見が具体的なヘイトクライムであると定義されてしまうことで、社会の中で最も脆弱な人々を差別から保護するために策定された保護規定が男性の権利活動家たちによって濫用される道を作ることになってしまうことを恐れている。

英国の現行法では「保護特性(protected characteristics)」と呼ばれるものが反ヘイトクライム法によって保護の対象になっている。この特性には現在、人種、宗教、性的指向、政治信条、障害、性同一性、が含まれている。犯罪と治安維持に責任を負う内務省による改定案では、男性及び女性に対する偏見(prejudice)も同様に英国法におけるヘイトクライムに分類される可能性があるとされる。

英国内務大臣のサジド・ジャビドはこの改定案について、政府がヘイトクライムに対しより厳しい姿勢で臨むことを誓っている。「我々の新しい活動計画は、偏見と人種差別の根本的な要因に立ち向かい、ヘイトクライムの被害者を支えて加害者を確実に法に従わせる」という彼のコメントをガーディアンが伝えている。

一部の女性の権利運動家は、ミサンドリーが、人種差別、イスラム嫌悪、トランスジェンダー嫌悪と共にヘイトクライムに分類される危険な前例が作られてしまうことを不安視している。

「実際の所、ミサンドリーというのはミソジニーのような歴史も影響力もないのです」と性暴力被害者で作る非営利団体 Victim Focus のジェシカ・イートンが話している。「男性に対しては、社会的に劣等な役割りに服従させるような、世界的で抑圧的な嫌悪は存在していませんし、世界のどこでも体系化された男性に対する抑圧というのは存在していません。純粋に男性であること、男子であることを理由に、虐待されたり、買われたり、売られたり、切り刻まれたり、殺されたり、中絶させられたりすることはないのです」

イートンはミサンドリーが分類されている範囲が曖昧であることを問題視している。「最近は『男性に対する敵意』だと定義されています」と彼女は言う。「それでは広すぎますし、極めて主観的です」

イートンは女性の権利運動を主導する立場として、自身の活動が男性の権利活動家から「反男性」だとして常に批判を受けていることを強調する。仮にミサンドリーがヘイトクライムだと認定されてしまえば、彼女の反対者たちは彼女が女性の権利を擁護していることについて警察に通報することになるかもしれない。

「私のような女性は既にミサンドリーで抗議を受けています。私が女性に対する犠牲者非難について書いていること、女性センターを支援していること、あるいは私が性役割について話すことが男性を傷つけていて男性の自殺率の上昇に寄与しているという批判まであります。私が性暴力犯罪者の殆どは男性であるという国が出している統計を引用する度に、私はミサンドリーだと非難を受けています。その統計は国が出していて精査されたものであることなど関係ないのです」

イートンは有名なフェミニストなら誰でもよく知っている真実を語っている。女性の権利主張に反対する人は、しばしば「男性嫌い」を侮辱として使う。「こうした問題について話したり書いたりしている女性は常に『男性嫌い』だとレッテルを貼られますが、男性の暴力や性犯罪者について話したり書いたりしている男性がミサンドリストだと呼ばれているのは殆ど見たことがありません」

彼女が恐れているのは、ミサンドリーの主張が性暴力について話したり虐待被害者の女性を支援している女性たちを沈黙させるために使われることだ。「『ミサンドリー』だという主張が、男性の暴力や虐待行為を指摘し、家庭内暴力も性暴力も殆どが男性によるものであるという統計上の事実を指摘する女性たちを黙らせることに使われる可能性があります」

法改革を推進する独立機関である法制度委員会は、今回提案された措置を評価して英国全体で必要があるかどうかを確認する予定になっている。

2016年にノッティンガムシャー警察は、路上での性別に基づく嫌がらせを英国で初めてヘイトクライムとして扱った。「私たちは長い間、誰かが誰かに同性愛嫌悪やイスラム嫌悪を叫んで嫌がらせをすることは許せないということで一致しています」とフェミニスト運動家のメラニー・ジェフスが今回 Broadly に話してくれた。彼女はノッティンガムシャーの警察にミソジニーをヘイトクライムとして扱うように説得している。「それなら、女性に対してミソジニー的な嫌がらせを叫んだり、通常の生活を脅かすような行為をすることも許せないことのはずです」

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