2017年11月9日木曜日

トランプだけの問題ではなく、私達みんながTwitterについて責任を負うべきである


アメリカ人の12%がソーシャルメディア上での政治的な会話について良い印象を持っている一方で63%は悪い印象を持っている


仮にドナルド・J・トランプ大統領が大統領としての政務に専念するため明日からTwitterのアカウントを閉鎖しますと発表したら多くのアメリカ人が喜ぶことだろう。しかしTwitter社の社員が独断で大統領のアカウントを停止する力を持っていたというニュースで喜ぶべきではない。

全く対象的に、たかが11分間でも大統領を黙らせておくことができてしまうということは国家的な重要事項であり迅速に対処すべきものなのだ。

このエピソードはこの国に蔓延する一種の死病の症状そのもの、国民の政治参加意識の決壊であり、このことは我々の民主主義の基盤を損なうものである。

トランプ大統領自身はこの件で重大な責任を負っている。トランプはTwitterを教化、組織化、通知にではなく、彼の内外の敵を攻撃するための武器として使ってきた。#Rocketman、#CrookedHillary、#LiddleBobCorker、などのハッシュタグを中心にした攻撃は記憶に新しいところだろう。

しかし #TroublewithTwitter は1人の人間の140文字(あるいは280文字)の発言に限定されないものである。

ソーシャルメディアは他人に対する悪口を助長する、特に政治と政策についてそうである。我々は最近ソーシャルメデイア上で会話することの印象について調査を行った。その結果アメリカ人の12%がソーシャルメディア上の政治的な会話に良い印象を持っている一方で63%が悪い印象を持っている。

この週に行われた情報問題特別調査委員会の公聴会でわかったように、ロシア政府は2016年のアメリカ大統領選挙を傷つけるための膨大な計画を実行したとされる。ロシアのプロパガンダが私達のソーシャルメディアのフィードの中に1億5千万回以上表示されたという。これを防ぐためにもっとするべきことがあったのは明らかなことだ。FacebookとTwitterはこの件については改善を宣言しているが、こんなことで今現在のソーシャルメディア上の政治的な話題についての根本的な問題を解消できると誰が考えるだろう?

私はとりあえずはそうは考えられない。

ソーシャルメディアの問題点は多岐にわたり私達の多くがこの問題の拡大に一役買っている。ソーシャルメディアは政治的エコーチャンバー*となっている。私たちは最も多くの「いいね」「共有」「リポスト」を獲得するために扇情的な発信をすることに夢中になっている。義憤ががこのゲームの代名詞であり、どこにでも炎上が存在する。
*エコー・チェンバーは、情報やアイデアや信念などが、閉じたシステムの内部でコミュニケーションされ、反復されることで、増幅、強化される状況のメタファー(隠喩)となっている(Wikipedia

私達はここで臆病になるべきではない。ソーシャルメディアが存在しなかった簡素な時代に時計を巻き戻すという話ではない、独立戦争時のパンフレット以来政治的なレトリックは常に私達と共にあったものだ。しかしソーシャルメディアの拡張性は情報を拡散する広さと速さを桁違いに増幅させるものになっている。

お手上げ状態になる前に私達ができる3つのことがある。

第一に、ソーシャルメディア企業自体がより多くのことを行う責任を持つこと。社員が個人で特定のユーザーのアカウントをシャットダウンするようなことを防ぐことや徹底したサイバーセキュリティ対策を含めた話であるが、それを遥かに超えた責任感が必要である。究極的にテクノロジー企業は自身の作るプラットフォーム上における文化が変化することに寛容でなければならない。こうしたことがヘイトスピーカー、炎上商法、嫌がらせを追いやり、理論的な対話の推進を助けることの第一歩になる。

第二に、政治指導者はソーシャルメディア上の行動に責任を持つこと。そう、もちろん大統領も含めてそうである。ネット上で政治的に厳しい攻撃を行って得点を稼ぐのは簡単なことだ、しかし政治指導者であるならばこの極めて人間的な衝動に抗わなければならない。正直なところ、この件について楽観的になることはできないが、どこかで変化を起こし始めなければならない。

第三に、そして最も重要なこととして、私達市民も責任を持つことである。私達はオンライン上で関わるのと同じように実在のコミュニティに関わりを持たなければならない。このことは地元のボランティア活動であり、キャンペーンの手伝いであり、私達が援助できる色々なものについてである、そのことで自分とは違った背景を持つ人々との関係をネット上ではない実際の世界に作り上げる必要がある。こうしたことはTwitter上でケンカをしているよりもずっと建設的なことだし市民の結束を壊れない強固な物にすることになる。

Twitter、Facebook等のソーシャルメディアプラットフォームはどこにも行こうとしていない。実際のところこれらはかつてない革新的な方法で私達をお互いに結びつけてくれる強力な媒体である。しかし、今直面している課題に私達がすばやく対処しなければ、ソーシャルメディアの良い部分を悪い部分が凌駕してしまうことになりかねない。

そしてそうなってしまったら、私達は永遠に欺瞞と炎上と嘘ニュースの世界に閉じ込められてしまうことになるだろう。

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