トルドー首相、FCCのネット中立性規則撤廃に「大きな懸念」

Justin Trudeau is ‘very concerned’ with FCC’s plan to roll back net neutrality https://t.co/xQQLwinRNg pic.twitter.com/j6m3JPehQz

— Motherboard (@motherboard) November 23, 2017

カナダのトルドー首相は「私達はネットの中立性を守り続ける必要がある」と語ったがトランプ大統領に直接進言することまではしない

FCCはアメリカの連邦通信委員会。
「ネット中立性」とは政治的に中立であるということではなく、インターネット上のコンテンツを平等に扱うというもの。試される「最後の先進国」。

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トルドー首相、FCCのネット中立性規則撤廃計画に「大きな懸念」

MOTHERBOARD
Justin Ling
Nov 23 2017, 7:36am

カナダのジャスティン・トルドー首相はアメリカのトランプ大統領がネット中立性規制撤廃を計画していることについて「意味をなさない」とし、インターネット全体の中立性を守るために何ができるか模索していくと語った。

「ネット中立性が侵害されることに大きな懸念を持っています」とトルドー首相は水曜日にトロントでトランプ大統領の計画について Motherboard の質問に答えて語った。「ネット中立性は小規模ビジネスや一般消費者にとって不可欠で、そしてインターネットに関連する自由を生かし続けるために不可欠なものです」

火曜日にFCC（アメリカ連邦通信委員会）により進められた計画は、インターネットサービスを階層化し消費者に対しサービス毎に個別に課金させることができるようにするものだ。Motherboard はこの計画についてトルドー首相はどう対応するつもりなのか尋ねた。

「私達はネット中立性を守り続ける必要があります」トルドー首相は加えて「私はそうするつもりです」と述べた。

アメリカの前二政権によって施行された中立性のルールを撤廃するというFCCの計画が実行されれば、電気通信事業者はより高速なインターネット接続に更に自由に課金するようになり、特定のサイトやサービスをブロックしたり低速にしたりすることができる。

トランプ大統領に任命されたFCCのアジット・パイ議長はこの計画はウェブの自由の勝利だと賞賛し、声明で「連邦政府がインターネットを細部まで管理することをやめることになる」と述べた。一連のオンラインメディアを含む批判者達からは正反対のことだという声が出ている。

トルドー首相は自身がトランプ大統領に直接この件について意見を伝えるかどうかは特に言及しなかった。

「私達はアメリカ大統領が取ってきた立場を受け入れた上でアメリカとカナダに於いての影響を見極めていきます」

FCCによって考え出されたこの変更は根本的にインターネットの機能を覆しかねないもので、アメリカの消費者とビジネスだけではなくカナダやその他の国にも影響すると考えられる。

仮にアメリカの電気通信事業者が高速な回線にアクセスするためにウェブサイトに対し課金を始めたとすると、つまり、お金を払ったサイトにだけ効果がある高速接続のサービスを始めたとすると、世界中の会社にとって価値のあるアメリカ国内市場にアクセスするために支払いをしないといけなくなる可能性がある。

この変更は大手電気通信事業者が、自身が所有するウェブサイトに他の会社からアクセスすることを保証する代わりに支払いを要求することを促すもので、この支払をする余裕のない小さな会社を破滅させかねない。

ネット中立性はカナダでも成立している。国内の通信事業者の管理に責任を負っているカナダ・ラジオテレビ通信委員会は基本的にはアメリカのFCCと同様の存在であるが、この組織は最近、差別的な価格設定をしょうとする会社や自社の業務に利益を誘導しようとするサービスに対処するために中立性の原則を強化しようとして動いている。

今年の始め、カナダの大手通信事業者ビデオトロンの音楽ストリーミングサービスが特定のストリーミング業者に優先的にアクセスを提供していた件で、同委員会はビデオトロンに対し規制を発行している。

「自由で開かれたインターネットは全ての人々に新境地を開くための公平な機会を提供し、膨大な量のコンテンツを消費者が発見するためのものです」と同委員会のジャン=ピエール・ブライス委員長はその時に述べている。