2018年3月26日月曜日

差別は健康に悪い


精神的にも肉体的にも健康であるためには柔和であることだ


TONIC
Tony Rehagen
Dec 9 2016, 6:40am

アメリカを築いたのは偏見を持った人たちである。初期の入植者は原住民を迫害し、何百万人もの人を奴隷にし、144年の間「女子は許されない」選挙制度を制定していた。こうしたことに向き合ってみると、ますます分断が進むこの国に蔓延る不寛容は絶え間なく古から維持されてきたものだ。

それでも、ナチスのマークを身に着けた集団がヒジャブの女性を標的にして「あの女を追い出せ!」というのを見るのは少々のショックで済むような話ではない。ドナルド・トランプが大統領に当選したことで、こうしたものを見る機会が増えるかもしれない。有権者の半分(実際には半分には270万人程足りない)が差別が日常になることがそんなに悪いことではないと判断したのかもしれない。

全てのトランプ支持者が偏見の持ち主ではないだろう。しかし彼には性差別主義者、人種差別主義者の他過激な支持者が平均より多くいるのは確かなことだ。そうした人たちが集まり、古き良き(良くないが)と考える時代に戻ろうと声を上げている。彼らに対して嫌悪の念を抱く時、同時に哀れみの気持ちも持ってあげても良いかもしれない、なぜならおそらく彼らはあなたよりも早く死ぬからだ。

トランプと彼の支持者が嫌がるものを見ていこう、それは科学的考察だ。

インディアナ大学の新しい研究によれば、性差別主義者の男性は心理的な問題を抱えている可能性が高いという。研究では19000人以上の男性を、危機管理、暴力、感情統制、出世欲など11の伝統的な男性性を基準に評価した。この中で鬱、不安感などの精神衛生に最も関わりが深かった2つの評価基準は直接的に性差別に関連した2つと一致した。その2つは「女性を支配する力」と「プレイボーイであるような感覚」(実際研究でこの言葉が使われている)というものだった。

この自分を傷つける効果は差別主義者自身が社会からの非難に耐えていることと何か関係があるのかもしれない。「性差別的な傾向を持っている人は、何らかの抵抗を受けているのでしょう」と研究の主執筆者でインディアナ大学のカウンセリング心理学の教授、Y・ジョエル・ウォンが話す。この抵抗が圧迫感や不安感を作り出している可能性がある。

そうであるなら人種差別主義者も同様の苦痛を感じていると考えられる。そして実際その通りである。人種差別主義者は一般的な人たちよりも早く亡くなる。2015年、アメリカン・ジャーナル・オフ・パブリック・ヘルス誌は15年間の11000人の白人と黒人の死亡率を調査した。この調査の期間中、反黒人の偏見を持った人は死ぬ可能性が11%高いことが明らかになった。悲しいことに地域別に見ると事態はさらに深刻になる。人種間の緊張が高い地域では、黒人も白人も差別主義者もそうでない人も含めて全ての人について、他の社会的要因を考慮しても24%も死亡率が高くなっていた。

この死亡率の高まりには怒りの感情が関係している可能性がある、差別主義者たちにはおなじみの感情だ。私たちはトランプの支持集会で公共の場で怒りをぶちまけている場面をよく目にした。この怒りは精神だけでなく、肉体的にも悪影響を及ぼす。怒りは血圧を急上昇させ、心拍数を上げ、血管を収縮させ、酸素の供給を詰まらせて冠動脈性心疾患のリスクを上昇させる。2014年の研究によると、怒りを爆発させた後には虚血性脳卒中の危険性が362%上昇するという。

性差別主義者、人種差別主義者、そしていつも激怒している人がどうやらもっとも医療保険制度の恩恵を受ける人たちということになるはずなのだが、皮肉なことにトランプ政権になってその恩恵を得ることは困難になりそうだ。

これらのことから何を読み取るべきなのか?静かに落ち着いて、良い人でいることだ。憐れむ気持ちを持とうとすることは重要な事である。選挙期間中偏見を煽り立てていた次期大統領に対してもむしろ犠牲者であったと考えてみるべきだ。

「トランプは非常に悪い見本です」とウォンは言う。「そこが問題です」確かにそうだろう。

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