2018年1月29日月曜日

プラスチック汚染でサンゴが壊滅的な被害を受ける危険性


アジア太平洋のサンゴ礁にはプラスチック製の汚染源が110億個以上


Science News
DAN GARISTO
JANUARY 25, 2018

サンゴがプラスチックに侵されている。

最新の試算によると、110億個以上のプラスチック物質がアジア太平洋地域のサンゴ礁を汚染している。プラスチックはサンゴを病気にするバクテリアの温床になることで知られており、プラスチックに汚染されたサンゴ礁のサンゴはそうでないサンゴ礁のサンゴよりも少なくとも20倍の確率で病気になると研究者は述べている。

サンゴが病気に侵されることは海洋生態系のバランスを狂わせることになる。サンゴが死んで崩れるとサンゴ礁に生息する生物が全体が損なわれる。現在の動向を元にするとアジア太平洋地域では2025年までにプラスチックの量は40%の増加が見込まれており、さらにサンゴを危険に晒すことになると1月26日付けのScience誌に科学者達は報告している。

「プラスチックには微細な穴があります。これは微生物が繁殖するのに完璧な容器です。」とコーネル大学の海洋生物学者ジョリア・ラム氏は言う。病原となる微生物がサンゴに寄生すれば壊滅的な病気を引き起こす。

研究者たちは2011年から2014年の間に159のサンゴ礁について調査し、サンゴの病気とピンポン玉よりも大きいプラスチックのゴミについて記録を行った。タイ、インドネシアからオーストラリアまで、その全てのサンゴ礁は沿岸の大都市や居住地から50km以内に位置している。アジア太平洋地域には世界のサンゴ礁の半分以上が存在していると同時に世界の人口の4分の3近くの人々が住んでいる。

ラム氏の研究チームはプラスチック汚染の状態は場所によって大きく異なることを発見している。オーストラリアでは最も被害状態が低く、インドネシアで最も高い。この違いは各国がどのくらいの量のプラスチック製品を生産し、そのプラスチックのゴミをどう管理しているかに大きく関係していると研究者たちは述べている。

研究チームはサンゴ礁についての日常的な点検の一環として調査を開始したが、おかしなことが起こっていることにすぐに気がついた。ラム氏は「私たちはプラスチックと病気を探し始めたわけではなかったのですが、それが現れ続けるので報告する必要があったのです」と話している。


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