2018年7月20日金曜日

あなたは間違いなくマイクロプラスチックを摂取しているが、それは海産物や水道水だけの問題ではない


マイクロプラスチックの問題は水道水と海産物だけではない理由を実地調査の第一人者が語る


MUNCHIES
Lauren Rothman
JUL 19 2018

あなたがシーフードや海塩を食べる時、それらと一緒にマイクロプラスチックとして知られる顕微鏡でしか見えないようなプラスチックの細かい粒子を一緒に摂取しているかもしれない。ビニール袋などのゴミが海で分解されて作られるマイクロプラスチックは海に溢れている。現在少なくとも5兆個の粒子が海に存在していて、牡蠣と一緒にあなたに食べられるか、海水から塩を作る時に一緒に乾燥されてステーキに振りかけられるか、その時を待っている。

ここ2年程度の間にマイクロプラスチックが私たちの食品供給過程のいたるところに存在しているという研究が示されたことで、消費者の間に懸念が高まりつつある。意図せずに相当量のプラスチックを摂取してしまうというのは確かに不愉快なことだ。さらに、摂取されたプラスチックが私たちの健康に悪影響を及ぼす可能性についての研究もいくつか存在している。マイクロプラスチックは私たちの体に残り、内分泌系に不全を起こすというものだ。

しかし、マイクロプラスチックについての実地調査の第一人者は、私たちがプラスチックの脅威に晒される時、この小さな粒子は私たちの心配には取るに足らないものかもしれないと注意を発している。デンマーク工科大学の上級研究員である、ナンナ・B・ハルトマンはマイクロプラスチックの生態毒性学で博士号を取得していて、この広がり続ける粒子に焦点を当てて研究を続けている。今年の初め、彼女は3人の同僚と共に、マイクロプラスチックに関する調査は初期段階であり、健康への影響については、諦めてシーフードを食べることをやめる前に更に研究が必要であると主張する論文を発表した。この研究では、私たちは信じられないくらいプラスチックに汚染された世界に暮らしていて、食べ物や飲み物を通したマイクロプラスチックの影響は最小限であるものの、一方で、いつでもどこでもジップロックやサランラップで何でも覆う生活習慣はケミカルを摂取することに繋がるのは明らかだとされている。私たちはハルトマンにこの論文と、彼女がエビを食べ続けても良いと考えている理由を聞いた。

MUNCHIES:こんにちは、ナンナ。マイクロプラスチックとは何なのかを説明して頂けますか?そして、人間の健康に対する脅威はどの程度あるものなのでしょうか?

ナンナ・B・ハルトマン:マイクロプラスチックとは極めて小さな(100万分の1メートルから1ミリメートルの間の範囲)プラスチックのかけらで、意図して生産されたもの(化粧品のようなもの)とより大きなプラスチックの何かが侵食され摩耗してできたものとがあります。例えば、ビニール袋はゴミの不適切な処理によって自然環境(例えば海中)に達して、徐々に分解して小さな粒子となって散らばります。

マイクロプラスチックの濃度が高い場所で環境への影響が見られるとしている研究もありますが、ほとんどの研究では生態への毒性効果は全くかほとんど無いとされています。マイクロプラスチックの人間の健康への影響については今の所ほとんど何も知られていません。私たちはまず最初に、実際に何がどのくらいの量存在しているのか、もっと情報を集める必要があります。

論文の中であなたは「マイクロプラスチックに関する議論の問題は総体的視点が欠けていること」と仰っています。この言葉を説明して頂けますか?

これの意味するところは、新しい調査結果がメディアで明らかにされる場合、非常に限定的なケースに焦点が当たってしまう傾向があるということです。例えば、昨年発表された研究結果によって水道水に含まれるマイクロプラスチックに突然注目が集まりました。サンプルの採取方法や分析の手法が最善ではなかったかもしれないという事実は別としても、1つの情報源だけに焦点を当てた議論では、私たちの周りにあるマイクロプラスチック全体についての問題にはうまく対応しないでしょう。

10分間コーヒーをテーブルの上に放置すれば、空気中からマイクロプラスチックがカップの中にいくらか入り込むでしょう。そのくらい私たちの毎日の生活はプラスチックに囲まれているのです。例えばフリースのセーターは細かなプラスチックの繊維を撒き散らしています。

私たちは、食品パッケージ、ペットボトルなどに多くのプラスチックを利用しています。あなたはマイクロプラスチックよりもこうしたものの方に懸念を持つべきだとお考えなのですか?

あらゆる意味でプラスチックを使用することは、人間がプラスチックに関係した化学物質に晒されることの原因になっていると同時に、マイクロプラスチックの潜在的な供給源となっていることと関連付けて考えられるべきだと考えています。

私たちがマイクロプラスチックを重視しすぎているということであれば、実際私たちは消費活動としてどの分野にもっと注意すべきでしょうか?もっと注意するべき重要な問題はありますか?

私たちはマイクロプラスチックを重視すべきではないと主張しているわけではありません。個々の発見に夢中になってしまわずに、様々な問題の相対的な重要性を考える必要があると主張しているのです。科学者として発見したものについて伝える場合には、私たちは広い視野を維持している必要があります。ですから、マイクロプラスチックやプラスチック関連の化学物質の人間への接触を減らす方法について議論する場合には、世界的なプラスチックの生産と使用について幅広く議論する必要があるのです。

ありがとうございました。

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