2018年7月22日日曜日

インドネシアに違法薬物を持ち込んだフランス人が18年の投獄の後に帰国


ミカエル・ブランは1999年に3.8kgのハシシ(大麻)をスキューバダイビング用のキャニスターに入れて持っていたとして、バリの空港で逮捕されていた。


Al Jazeera
22 July 2018

フランス国籍の男性が薬物をバリ島に持ち込んだとして18年間インドネシアの刑務所に留置されていたが、主に彼の母親の努力によって、日曜日には母国に到着することになる。

ミカエル・ブランは1999年バリ島の空港で3.8kgのハシシをスキューバダイビング用のキャニスターに隠し持っていたとして逮捕された。現在45歳になるブランは、外国人の麻薬密売人に対して言い渡されることもある死刑判決をなんとか逃れて終身刑の判決を受けていた。2008年にブランの刑期は20年に短縮された。

インドネシアの法律では、通常は判決の3分の2の刑期を終えての仮釈放が外国人に認められるのは稀であるが、ブランの母親、ヘレーネ・ル・トゥーゼの努力によってブランは2014年に仮釈放を認められた。2017年7月にはブランの3年の仮釈放の期間が終わり、1年の保護観察期間を残していた。

元調理師のブランは土曜日にインドネシアの移民当局の職員とル・トゥーゼに伴われて国外退去のためにジャカルタの空港に到着した。ル・トゥーゼは20年間に渡りフランスでの生活を諦め、息子の釈放を求めてインドネシアで活動してきた。

2人はトルコ航空で出発し、日曜日にはパリに到着する予定である。


フランスからの批判


友人のために薬物が入ったキャニスターを運んでいたというブランの主張が認められず、終身刑を言い渡したインドネシアの裁判所に対しては、過度の厳罰であるとしてフランスから批判の声が上がっていた。フランス政府はこの問題を最高レベルで取り上げ、2011年に当時の首相フランソワ・フィヨンがインドネシアを訪問した際にこの件を持ち出している。

インドネシアは世界でも最も厳しい薬物に関する法律を持った国である。ASEAN(東南アジア諸国連合)の死刑廃止連合によると、薬物関連の犯罪で42人の外国人を含む、70人以上の人々が銃殺刑に処されているという。

インドネシアは2014年、大統領にジョコ・ウィドドが就任してからも数名に対し死刑を執行している。その中には2005年にヘロインをインドネシアからオーストラリアに密輸しようとして逮捕された「バリ・ナイン」のメンバー2人が含まれている。

「バリ・ナイン」の主犯格である2人のオーストラリア人、アンドリュー・チャンとマイウラン・スクマランの処刑は外交問題に発展し、インドネシアに対し死刑廃止が叫ばれることになった。インドネシア政府は昨年死刑を一時停止していたが、ウィドドは同国は薬物に関して「緊急事態」に直面しているとし、逮捕に抵抗した密売人は狙撃するように命じている。

オーストラリア国籍のシャペル・コービーがマリファナをバリ島に密輸して9年以上を監獄で過ごすというような事件が話題になったことによって、インドネシアは薬物の行きつく先になっているという不安が広がっている。コービーは数年の仮釈放期間を経て2017年に帰国している。

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