New data obtained by VICE shows the shocking frequency of emergency medical calls made by Amazon workers in the UK. https://t.co/aAJteDq4SA— VICE (@VICE) May 31, 2018
VICEが入手したデータでは、英国のAmazonの従業員は驚くほど頻繁に緊急医療通報をしていることが示されている
VICE
Mark Wilding
Jun 1 2018
Amazonによる宅配の未来に向けての計画は絶えることはなく、自動運転車やドローンによる宅配の実験が続けられ実現の時が近づいている。しかしながら、この世界第二位の市場価値を誇る企業の現在の現実はもっと世俗的なもののようだ。Amazonは巨大な配送センターのネットワークを管理し、商品を分類、包装、配達する労働者を雇用している。こうした労働者たちは厳しい労働環境化に置かれ、倉庫から出荷する過酷に設定された目標を満たさなければならないのだという。
VICEが情報公開法を利用して取得したデータによると、英国Amazonの倉庫には過去3年の間に少なくとも600回に渡り救急車が呼ばれていることが明らかになっている。呼吸困難や胸部痛などのよくあるものも含め、患者はこの半分以上のケースで病院に搬送されている。イングランド、スタッフォードシャーのルージリーにある工場では2015年から2017年までに救急車が115回呼ばれている。同じスタッフォードシャーのリッチフィールドにある小売大手TESCOの同規模の倉庫では同じ期間に緊急救命士が出動したのは8回である。(Amazonは、倉庫で働いている従業員の人数が異なるため、直接の比較はできないと主張している)
英国の組合組織GMBの主導によって行われたAmazonで働く労働者についての調査では、同社の倉庫における由々しき現実が明らかにされている。この調査結果は今週末の同組合組織の年次総会で公開されることになっている。回答した労働者の中には妊娠した女性も含まれており、彼女は10時間交代で立ち仕事に従事していたという。労働者たちは同社で働く生活を「魂を破壊」する「監獄での生活」のようだと表現している。「捕らえられた動物のようだ」と表現する人もいた。VICEの取材でも、現在の従業員も元従業員も同様の話をしている。ある労働者は、てんかんの発作を起こし病院から電話をかけられずにいたことで、懲戒処分を受けたと話している。
GMBの全国職員ミック・リックス氏の話:「救急車が数百回呼ばれていることや、妊婦が1日10時間立って労働を強いられていることが報告されています。重いカートを押しながら何マイルも歩き回り、荷物を取り上げ、しまう作業で体を伸ばしたり縮めたりすることは、流産の危険や妊娠に悪影響を与える可能性があります。安全で幸福な職場環境の中ではこうしたことは起こり得ません。Amazonのような会社は職員に尊敬を持って接するべきで、ロボットのように扱うべきではありません。」
労働者の権利のために戦うキャンペーンをする団体「オーガナイズ」は最近、Amazonの倉庫で働く200人以上の労働者に対する調査に基づいて、同社の労働環境についての報告書を公開した。労働者たちは長時間立たされ続けていると話し、定期的なトイレ休憩があり、作業の目標設定は増大する一方だったと言う。2018年4月オーガナイズは、Amazonのロンドン本部に対し、同報告書と各倉庫の目標設定を下げるように要求した嘆願書を併せて送付した。
オーガナイズでキャンペーンを率いるウスマン・ムハンマド氏の話:「私たちは労働者たちから、彼らが無理な目標設定に合わせるためにしばしば危険な状況に陥っているという話をいくつも聞いています。そして、労働者たちの主張は無視されているとも聞いています。極めてショッキングなことは、全国の全ての工場から同様の事例の話が聞かれることです。この問題が一部のものではないことの証明です。」
ジェイムズ・ブラッドワース氏は、今年の初めに出版された「雇用者:英国低賃金労働6ヶ月間の潜伏記」の著者である。2016年、彼はルージリーのAmazonの倉庫で1ヶ月過ごしたことがある。「なにか言葉で表現するとしたら、『恐れ』でしょうか」と彼は言う。「トイレに行くのを恐れ、休みを取るのを恐れているのです。もし病気になったらクビにされると怖がっているのです。」
Amazonは「欠勤する場合のルールの適用は、適切な裁量」を用いているとし、作業目標の設定は「従業員の過去の業績水準に基づいて客観的に設定されています」と話している。更に「私たちは業績が期待された水準に達していない人については、改善を助けるために指導と支援を行っています」と付け加えた。
妊娠した女性が10時間のシフトで立ち仕事を強制させれられていた、というGMBの言及に対してAmazonは「この件について私たちは何も情報を持っていないので、コメントをすることはできません。Amazonでは、妊婦は出産の4週間前から休暇を取ることができ、16週間の産休中は満額で給料が支払われます。誰かが妊娠していることがわかった場合、私たちは職場担当者と緊密に連絡を取ってリスク管理をを行い、必要があれば医師の指示も仰ぎます。Amazonに雇われていることでしている仕事によって、妊娠した従業員やお腹の中の子供の健康状態が危険に晒される場合、私たちはリスクを緩和するためにその従業員の職場条件を変更するか、適切な代替業務を見つけることになります。最後の手段として、満額で給料が支払われる傷病休暇を取ってもらうこともあります。」
VICEが提示した救急車を要請した回数に対してAmazonの広報担当者の話:「このデータや根も葉もない噂に基づいて、私たちの職場環境が安全でないと仰ることは正確なことではありません。救急車を要請するというのは、たいていの場合個人的な健康状態に関連したもので仕事に関連したものではありません。それでも、英国のAmazonのフルフィルメントセンター(配送センター)に昨年一年間で救急車を要請したのは労働単位時間あたり0.00001回に過ぎません。これは極めて低い数字です。Amazonは英国で運送や倉庫管理の業務を行う他の会社よりも平均して43%も従業員の怪我が少ないのです。これは安全衛生局がRIDDOR(傷害・疾病・危険発生報告規則)に基づいて報告した数字です。私たちはどんな方にも、ご自身が納得するように私たちの配送センターを見て回ることを勧めています。」
しかしながら、Amazonで働く労働者については怪我だけでなく、仕事からくる消耗や、倉庫内の恐怖の雰囲気についても懸念が高まっている。
2016年9月、「アレックス」はルージリーのAmazonの倉庫で働き始めた。彼は反響を恐れて本名は非公開にしている。アレックスはルーマニア生まれで、イングランドで職を得ることに大きな希望を持っていた。「私は非常に大きな期待を持っていました。しかし、そこで見たものは…」
倉庫では救急車が呼ばれるのはいつものことなのだと彼は言う。そして、彼は他の労働者たちが要求された目標の達成に苦労しているのをよく見るようになったという。アレックスは、彼自身は業績に於いて成績優秀者の1人だったが、それでもマネージャーから十分に働いていないと批判を受けたという。「職場環境は良いものではありませんでした。強くストレスがかかり、極めて高い要求が突きつけられていたのです」と彼は言う。「私にとってさえも、非常に悪い環境でした。」
アレックスは最近欧州本土の方で別な会社から新しい仕事のオファーを受けた。給料はおよそ二倍になると言い、彼はもはや倉庫で厳しい作業目標に直面する心配をしなくても良くなるのだ。彼はどう感じているだろうか?「大変幸せです」と彼は言った。「私は自由を感じています、生まれ変わった気分です。」
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