2018年9月1日土曜日

2018-2019期のカタルーニャ政治を理解するための7項目


訴えられている独立派の政治指導者たちの裁判がこの1年に大きな影響を与える


Catalan News
Guifré Jordan
28 August 2018

カタルーニャ政治の1年間は今週から始まることになるが、去年のこの時期に前代未聞の1年を予想した人はいなかっただろう。昨年の秋に独立についての住民投票が行われてスペイン警察による暴力的な弾圧を受けた、そして、独立宣言、スペインによる直接統治、最終的に政治指導者たちが収監されるか国外退去となったのだった。

だが、これらのエピソードの成り行きは2018-2019期を通して継続して続くことになるし、カタルーニャとスペインの間の緊張が再び高まる可能性もある。例えば、昨年の11月に収監された独立派の政治家たちは未だに監獄の中にいる。これから始まる政治年間を理解するための7項目を見ていこう。


1.反逆罪の裁判と自由刑判決の可能性


昨年独立を試みたことについてのカタルーニャの25人の政治家たちに対する裁判がこの1年のカタルーニャの政治に大きく影響を与えることになる。この裁判はこの秋か、2019年の初めに行われると考えられ、審理が数週間続けられ判決までは数ヶ月を擁する可能性が高い。

政治家たちのうち、プチデモン前首相やジュンケラス前副首相を含めた13人は反逆罪で訴えられている。しかし、プチデモン前首相と6人の元閣僚たちは国外に退去しているため裁判を受けることにはならない。

仮に有罪となった場合、自由刑30年の判決が降される可能性があり、そうなれば独立運動団体やカタルーニャの現政府に反抗的な反応を促すことになる可能性が高い。

また、収監されている5人の指導者とプチデモン元首相はカタルーニャ州の議員でもあるが、スペインの司法判断で議員として地位を停止されている。カタルーニャ政府は10月2日までにこれに返答しなければならない。


2.秋の記念日とデモへの動員


去年、独立を問うた住民投票があり、スペイン警察による暴力で千人以上が負傷した10月1日はカタルーニャの政治にとって再び重要な日になるかもしれない。

主要独立派市民団体の1つは昨年住民投票の2日後に行われたのと同様に、その日にストライキを呼びかけることを考えている。住民投票の日(10/1)、独立宣言の日(10/27)、そして最初に政治家が投獄された日(10/16)は大規模な独立派のデモが呼びかけられる可能性が高い。更に、9月11日はカタルーニャ国民の日であり、この日も大規模なデモが予想される。

今現在独立運動の熱意は沈静化しているように見えるが、これらの記念日が新しく勢いを与えるかもしれない。


3.スペインとの難しい対話


先週、カタルーニャの現首相は「【カタルーニャ共和国】を現実にする」ことに取り組んでいた。「私たちは私達自身を守る必要はない、しかしスペインの不公平を攻撃しなければならない」とキム・トルラ首相は発言し、この発言の「攻撃」と述べた部分を後に「訴える」という言葉に訂正している。

しかし、トルラ首相はスペインの首相との対話を閉ざしてはおらず、7月に1度会談を行っていて、次の会談が秋にバルセロナで予定されている。

トルラ首相は民族自決に基づいた住民投票の合意を受け入れてくれるようにスペインのペドロ・サンチェス首相を説得することを目指している。しかしながら、その実現は極めて疑わしく、両者の歩み寄りが不調に終わった場合には、これまで続いてきた緊張関係の新たな高まりに繋がるかもしれない。


4.街の黄色いリボンを巡る対立


今季の政治は、収監されているか国外退去させられている政治指導者たちに対する支持を表す黄色のリボンを公共の場に掲示することについての議論から始まっている。一部の活動家がこのシンボルを国中に掲示している一方で、また別な人たちはこれを取り除いている。政治政党によって促された動きである。

この状況は既にいくつかの衝突や事件に発展していて、統一派の政党シウタダンスはこれが「社会の亀裂」の証拠なのだと話している。同党は黄色のリボンを取り除いた人々に対する攻撃を非難するデモを呼びかけている。また、シウタダンスの要求により、秋の本会議では「社会的共生」についての審議が行われる。

一方でカタルーニャの警察はスペイン司法と政府当局により、この出来事における彼らの役割について調査を受けることになっている。


5.国外の論説についての主導権争い


カルレス・プチデモン前首相は行きうる限りの国々を渡り歩き「カタルーニャ共和国の自由への戦いのための国際活動」を続けている。

スペイン司法当局による本国送還の要求とベルギー国内での独立の件の司法調査が’不調に終わったことを受けて、国外に退去している独立派の政治家たちは国際的な「戦い」を試みている。また、収監されているか国外に退去している政治家たちはこの件を国連に持ち込んでいる。こうした全ての要素と訴えの動きが今季見えてくることになる。

プチデモン前首相の影響力の範囲はカタルーニャ政府とカタルーニャの政治一般に未だに強く残されている。

スペイン司法当局が提出した本国送還要求は過去2回失敗に終わっているが、3回目を提出する可能性も否定できない。


6.来るべき選挙と独立運動の再活性化


カタルーニャ首相によれば、何人かの収監された政治家たちに自由刑が言い渡される可能性だけでなく、2019年5月に実施される地元と欧州の選挙は、独立運動を再活性化させる「転機」になるかもしれないという。特に当地地元での選挙は独立派と統一派の強さのバランス見る良いバロメーターとして機能する。

9月4日にカタルーニャのキム・トルラ首相は独立に向けた協議会の開催を予定している。


7.日々起こる出来事


カタルーニャとスペインの間の緊張関係のピークは7ヶ月の間、カタルーニャに政府も議会も自治権も無かったことで終わりを迎えた。現在、カタルーニャの政府と議会はその空白期間を取り戻し、摩擦は続いているものの、日々前に進むことができることを見せようとしている。

この政府にとって最初の大きな試練は2019年の予算を通すことになる。しかし、この目標が達成できるかどうかは全く不透明である。

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