2018年9月23日日曜日

ルーマニアで同性婚を封じるための国民投票が行われる


ルーマニアで憲法上の結婚の定義を男性と女性の間だけに限ったものに変えるための国民投票が10月に行われる


Broadly
Sirin Kale
Sep 19 2018

ルーマニアで国民投票が実施され、仮にこれが通ると憲法上恒久的に同性婚の可能性を排除することになる。

10月6日と7日に行われるこの国民投票では、結婚を明確に異性間の関係と定義することの是非が問われる。(現在の憲法は性別に言及しておらず、2人の「配偶者」の間によるものとされる)。仮にこのルーマニア憲法48条の改定案が認められると、結婚は男性と女性の間のみの関係として定義されることになる。

この国民投票は Coaliția pentru Familie(家族のための連合)と呼ばれる団体の働きかけによって実現した。この団体は自らを家族の価値を重視するものだとしており、妊娠中絶への反対も公言している。彼らは2016年にルーマニア国会に対して憲法の改定を求め300万人の署名を提出した。

ルーマニアの法律では憲法を改定する場合、50万人の市民から憲法改定の請願があって、議会がそれを受け入れる必要がある。今回はルーマニアの両議院がこの改定案を承認しているため、国民投票が行われることになる。仮にこの国民投票でこの改定案が承認されれば、同性婚(現在ルーマニアでは違法である)が、今後無期限に将来まで違法となる可能性が高い。

ルーマニアは既に性的少数者の人々にとって厳しい場所になっている。殆どの正教会系のキリスト教国では転向療法が合法であり、同性のカップルには養子が許されていない。国際レズビアン・ゲイ協会(ILGA)によると、ルーマニアは LGBTI の権利保護に関してヨーロッパで35番目とされている。また、ルーマニアは欧州連合(EU)内で同性のカップルを法的に認めない6カ国のうちの1つである。

この国で性的少数者の権利が認められた稀有な例として、7月にルーマニアの憲法裁判所は、EU 市民の同性カップルに対し平等な居住権を与えなければならないという判決を下した。ロイター通信が伝えるところによると、欧州司法裁判所が同性婚を合法化していない国においても、同性のカップルに平等に居住権を認めるべきであるという判断を示した後にこの判決が下されている。

性的少数者の各権利団体はこの国民投票を非難している。Broadly の取材に対して、ILGA もこの投票を批判している。「この国民投票は本質的には人々に、彼らの隣人、同僚、友人、家族に対する差別を受け入れることを求めるものです。ルーマニアに於ける性的少数者の家族、多様な家族のあり方、愛し合う家族の生活がこの提案によって脅かされています」と ILGA ヨーロッパの主任弁護士であるカトリン・フーゲンドゥーベルは述べている。

「ILGA ヨーロッパとしてルーマニアの多様な家族に寄り添いたいと思っています。私たちはあなた達を理解して支え、共に努力していきます」

0 件のコメント:

コメントを投稿