2018年9月2日日曜日

家族が自殺を図って生き延びた時


彼が再び自殺を試みる恐れと向き合う


TONIC
Erica Jackson Curran
Aug 4 2018

3回、私は私の家族の1人が自殺を図ったという電話を受けた経験があります。3回、私は心が張り裂けそうな悲嘆を感じ、怒りのようなものも混ざった困惑に陥りました。そして、その全ての時には一縷の望みがありました、彼は生き延びたのですから。

全ての時それぞれに小さな奇跡のようなものを感じていますが、祝うようなものではありません。希望とともに彼がもう一度自殺を試みるという心配が現実のものになってくるからです。愛する誰かが死にたがっているという事実は人に無力を感じさせます。ですが、時間が経つにつれて、わたしはサポートを示して、希望の見えない中に希望を見出す方法がわかってきました。

自殺の試みを繰り返そうとする最も危険な時期は自殺を試みてから最初の3ヶ月から1年の間です。「一度自身の命を断とうとした人は、再度試みる可能性が高いと言えるでしょう」とマサチューセッツに拠点を置く精神科医で「狂った家族だったから:精神科医の作り方」という回顧録の著者であるエドワード・M・ハロウェルが話しています。「続けて自殺を図ることを防ぐために、根本的な問題が何であれ、直ちにそれについての可能な限りの解決策を実行するべきです。家族が総力を挙げて使えるものを全て動員する時です」

問題は愛する家族の一員が(通常は数日間の)入院から戻ってきた時に、多くの家族はどう行動したらよいかわからないことです。「安定した」という診断を受け、1つか2つの薬を処方されて、セラピーを受ける方法を教えられて、自殺を試みた人が自宅に戻ってきた時、多くの場合彼らの心は極度に脆弱な状態になっています。そして、そもそも自殺を試みる原因になった問題は消えておらず、むしろ悪化しているかもしれません。

自殺を試みた後に起こることについては、究極的には本人の周辺の社会的な支援のあり方に左右されるのだと精神科医でNYCにある精神医学エクセレンスセンターの設立者であるプラカシュ・マサンドが話しています。「周りの人々が自殺を試みた人に対し正しい支援をし正しい扱いができるならそれは素晴らしいことです」。しかしながらプラカシュは友人や家族がわずかでも本人を責めたり、自殺を試みたことで周囲の人々が落ち込んだりがっかりしたということを伝えたなら、それは本人の絶望感と再度自殺を試みる可能性に加担することになるのだと言います。

家族の一員を失いかねなかった経験を経た中でも、本人に対して回りの人々に対する影響を考えず利己的であるということを責め立てる人もいます。自殺予防研究施設の所長を務めるダニエル・レイデンバーグは彼の経験上、多くの家族が本人に何故かと聞きたがるのだと言います。「何故子どもたちにこんな思いをさせるの?」「何故私にこんな思いをさせるの?」

「このような発言は自殺については完全に的外れです」とレイデンバーグは話しています。「自殺と精神疾患の現実を学んで理解して下さい。そして、あなたの愛する人はあなたを傷つけたり、あなたの人生に何か悪い影響を与えようとして自殺を試みたわけではないのだということを理解しようとして下さい。彼らは有る種の統制を失っているのです」

このことがすぐには回復しない愛する人を受け入れることが難しい家族がいることの原因になっているのです。「普通は癌や糖尿病を患っている人に『すぐに克服しなさい』『もう病気になっちゃいけません』とは言えないでしょう」とレイデンバーグは言います。「治療には長い時間がかかるものですし、多くの努力が必要になります。私たちは彼らの代わりに努力することはできませんし、努力を強制することもできません。私たちが病気の人を見て進歩の無さに苛立ったりしても誰の助けにもならないのです」

再び自殺を図ることを防ぐために、マサンドは家族や友人たちが鬱病の症状を注意深く見続けて、危険な要素に対処し、本人が正しい診断を受けているのだと確信してもらうようにすることを推奨しています。「鬱病や双極性障害の場合、不幸なことに正しい診断が出るまでに10年以上の時間を要したというケースもあります」とマサンドは話しています。「セラピストが可能性のある全ての精神状態を適切に検査できるように努力する必要があります」

家族の人たちは自分たち自身に対する気遣いも忘れてはいけません。マサンドは精神病の患者の身近な家族は不信感、憂鬱、不眠、怒り、恐れ、悲嘆、食欲の変化、その他のストレスを経験する可能性があると言います。「もしあなたの身近な人が自分で命を断とうとしたなら、あなた自身の精神状態も確認した方が良いでしょう。身近な人が自殺を試みたという事実はあなたにも長期に渡って影響を与えることがあります」とマサンドは言います。「そして、友人や家族の人たちにとって重要なのは自分たち自身を責めないこと、そして恐れずに支援する方法を探すことです」

「実際、自殺を試みたことは家族にとって成長する機会になります」とハロウェルは言ます。「成長の手段としては恐ろしいものですが、もしこの恐怖を分かち合うことができれば、1人で心配せずに十分な支援を得ることができれば、この痛みを成長に変えることができるのです」

私自身は私の家族について毎日心配しています。そして、私はこれは変わることがないことを知っています。また、私は、彼が生き続けるために私と私の家族にだけができることがあるのだということを受け入れなければなりませんでした。彼が自身の運命に自分で区切りをつけようとしたからと言って、私たちはその最悪の最悪の状況をただ見ていなければならないというわけではありません。私たちは、彼が再び自殺を試みることを防ぐことができるように望みながら、毎日思いやりを持つことに取り組んでいます。

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