アメリカでは2018年の263日で262回の銃乱射事件が起きている

There have been 263 days in 2018 — and 262 mass shootings in America https://t.co/9L9AFa1VfU

— Vox (@voxdotcom) September 20, 2018

ガン・バイオレンス・アーカイブの集計によると、アメリカでは、ほぼ１日１回銃乱射事件が起きている

Vox
German Lopez
Sep 20, 2018

この２日間にいくつもの銃乱射事件が起こった。ペンシルバニア州メイソンタウンの裁判所で、ウィスコンシン州ミドルトンのオフィスで、そしてメリーランド州アバディーンの小売チェーン、ライト・エイドの倉庫で銃乱射事件が起きている。

これは2018年ではもう珍しいことではないらしい。非営利調査団体ガン・バイオレンス・アーカイブによると、今年はここまでほぼ１日に１回のペースで銃乱射事件が起こっている。

FYI: There have been 262 American mass shootings (4+ shot or killed in the same incident, not including the shooter) in the 263 days of 2018. https://t.co/rng9mhIr0R

— Gun Violence Archive (@GunDeaths) September 20, 2018

「アメリカでは262回の銃乱射事件（同一事象内で実行犯以外に４人以上が撃たれたか殺されたもの）が2018年の263日のうちに起こっています」とガン・バイオレンス・アーカイブがツイートしている。

これはおおよそ最近の例年通りの水準だ。2015年には335回の銃乱射事件が起こっている。2016年が382回、2017年が346回となっている。

2013年からアメリカでは1,800回以上の銃乱射事件が起こっている。
<Mass shootings since Sandy Hook, in one map>

ガン・バイオレンス・アーカイブのツイートでは、「銃乱射事件（mass shooting）」を、似通った時間と場所で実行犯以外で４人以上が撃たれた事件と定義している。死者が出たものには限っていない。

これは他の銃乱射事件の定義とは異なる場合もある。４人以上の人が殺されたものを「銃乱射事件」とするものもある。例えばマザー・ジョーンズの調査では複数の死傷者が出たとしても、ギャングや家庭内暴力のような特定の種類の乱射事件は除外している。

ガン・バイオレンス・アーカイブの集計方法が全員の銃乱射事件の定義に合っていてもいなくても、重要な点は変わらない。アメリカでは定期的に、ほぼ毎日、複数の人が撃たれて怪我をするか死亡するかしているということだ。

アメリカの銃暴力

乱射事件だけでなく、アメリカでは多くの発砲事件が起きている。殺人、自殺、そして事故によるものもある。JAMA に掲載された研究によると、アメリカは世界中で銃による死者数の半数を占める６カ国のうちの１つである。他の国々は、ブラジル、メキシコ、コロンビア、ベネズエラ、グアテマラだった。

2016年の記録では、アメリカの人口100,000人あたりの銃による死亡者は10.6人となる。他の先進国の数字を見ると、スイスが2.8人、カナダが2.1人、オーストラリアが1人、ドイツが0.9人、イギリスが0.3人、日本が0.2人である。

良いニュースとしては、アメリカでは過去20年間で犯罪と殺人は減少傾向にある。悪いニュースとしては、JAMA の調査の数字からは、他の先進国よりも遥かに多く銃による死者を出し続けているということになる。

これはアメリカがこの惨事に対して完全に打つ手がないということではない。他の先進国で銃暴力による事件が少ない理由は銃を規制する法律が厳しく、銃自体の数が少ないことがある。（参考までに調査によると、アメリカは100人の人口に対して120.5丁の銃が存在している、つまり人間より銃の方が多い。カナダでは100人に対して34.7丁、ドイツでは100人に対して19.6丁、オーストラリアでは100人に対して14.5丁となっている。）

より厳しい銃規制とより少ない銃による犠牲者の関係を優れた調査が裏付けている。2016年にエピデミロジック・レビュー誌に掲載された10カ国に於ける130の研究を対象にした論評では、銃の所有や購入を規制する新しい法律ができると銃暴力が減少する傾向を読み取ることができ、銃器へのアクセスを制限することで命を守ることができるという強力な指標となる。この論評によると、１つの政策が大きな効果を発揮することはないようだが、複合的な銃規制は重要な結果をもたらすと指摘している。

同様にランド研究所の調査によると、購入や所持の際に経歴調査が必要となるようなより厳しい銃規制法が銃による死者や負傷者を減らし、銃を持っていることを隠しておけるような銃に対してゆるい法律は銃によ死者や負傷者を増やす、という証拠をいくつか提示している。

しかし、連邦政府レベルで新しい銃規制法を成立させるのがほとんど不可能なほどに難しくなっている政治的かつ文化的な状況の中で、アメリカ人は定期的なペースで惨事が起きることに慣れてきてしまっている。カリフォルニア州カーン郡の保安官ドニー・ヤングブラッドは、先週ベーカーズフィールド起きた銃乱射事件の後の記者会見で「これが新しい日常です」と話している。