2018年5月16日水曜日

ユダヤ系アメリカ人が占領行為を支持する時、私たちの魂は蝕まれる


「私たちユダヤ人の伝統は、生命は神聖なものであることを私たちに教えています。人間性の喪失を拒否し、全ての人々が自由と尊厳を求めることを受け入れたのはずっと昔のことだったはずです」


The Guardian
Mariyama Scott
Tue 15 May 2018

月曜日、私はワシントンDCで百人以上の若いアメリカのユダヤ人たちが行った抗議運動に参加して来ました。トランプ大統領がイスラエルのアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転したことに対して抗議するものです。私たちが行進している間に、ガザの境界フェンスではパレスチナ人たちがイスラエルの狙撃兵に殺されたというニュースが入ってきました。私たちが国会議事堂近くのペンシルベニア大通りを封鎖している頃、37人という衝撃的な数の人たちが殺されていたのです。私たちの抗議運動が終わるまでに、死者の数は40人を超えていました。そして、その日が終わる頃には少なくとも58人が殺されていたのです。この日は2014年の戦争以来、ガザにおける最低最悪の日になりました。

私たちの行進によって国会議事堂とホワイトハウスに繋がる通りが止められ、多くの通勤通学者が混乱していました。DC の警察が駆けつけて交通を整理し、私たちの周りを通行するように導いていました。私たちの多くは逮捕されることを覚悟していましたが、結局は道路で数時間に渡り抗議行動をすることを許され、歌を歌い、チャントを叫び、占領に反対する声を上げました。私たちのような白人のアメリカのユダヤ人たちは命を脅かされること無く自由に抗議運動ができるのです。

ガザでは1ヶ月半ほど前からパレスチナ人たちが、彼らを隔離して閉じ込めている青空監獄とでも言うべきフェンスの近くで毎週抗議運動を行ってきました。そして、毎週彼らの自由を求める声は狙撃兵の実弾によって黙らされてきたのです。100人以上のパレスチナ人がイスラエル兵に殺され、数千人が負傷しました。イスラエルは図々しくも国際法を軽んじたと同時に、私たちユダヤ人コミュニティの価値も踏み躙ったのです。

数週間前にサンディエゴで開催されていたイスラエルの独立記念日の祭典会場の外れでイスラエルの暴力行為に対する抗議運動をしました。そこで私たちはガザで殺された人々の名前を読み上げていました。その時に小さな娘を連れた男性が近寄ってきて、死者の名前を読み上げている私たちに向かって「テロリスト!」と叫んだのでした。

人の死を弔っているユダヤ人の仲間たちを怒鳴りつけるようなことをみんながするわけではありません。しかし、あまりにも多くのアメリカのユダヤ人コミュニティの人々がイスラエルによる占領を支持して援助しています。それは数百万のパレスチナ人にとっての日々の悪夢を支援していることになるのです。そしてあまりにも多くの人たちが、ジャレド・クシュナーとホワイトハウスの意見に従ってしまっています。彼らはパレスチナ人たちの最も基本的な権利である抗議運動の合法性を認めようとせず、抗議運動を行っている以上はそこで被ったことについては自分たちで責を負うべきだと主張しているのです。

私は昨日デモに参加した時、ガザで失われた命を想い思わず感情的になってしまいました。そして、それと同時に占領行為の終結を求めてアメリカ合衆国のユダヤ人の仲間たちと歌い行進することに誇りと希望が湧いてきたのです。あまりにも長くの間ユダヤ人とパレスチナ人は闘い続けてきました。ユダヤ人コミュニティは暴力で私たちの安全を保つことはできないことをずっと昔に実感しているはずです。

ユダヤ系アメリカ人センターがますます熱心にイスラエルを支持するようになっていることで、ユダヤ人たちが圧政の手先となり支援者となって魂を蝕まれていることが私にはわかってきました。 イスラエルによる占領行為が正しいことと信じたい気持ちのために人間性を喪失し、そのことがモラルを侵食しているのです。かの男性が私たちに向かって放った、抗議運動家、ジャーナリスト、そして子供たちがテロリストであるという憎悪の声は後ずさりしてしまうほどに強いものでした。私はガザで殺された人々のために泣き、そして、この男性と彼の小さな娘のために、そして、暴力が平和への道程であると信じるすべての人のために泣くのです。

ある人々から基本的な権利を奪い、家を破壊し、無差別にその人々を殺すことでは、今でも昔でも未来でも、私たちを安全にすることはできません。正義の無いところに平安はあり得ないのです。私たちユダヤ人の伝統は生命は神聖なものであることを私たちに教えています。人間性の喪失を拒否し、全ての人々が自由と尊厳を求めることを受け入れたのはずっと昔のことだったはずです。ユダヤ人とパレスチナ人両方の未来はそれにかかっています。ユダヤ系アメリカ人の詩人、エマ・ラザルスの言葉に次のようなものがあります。「私たち全てが自由になるまで、私たちは誰も自由ではないのです」


マリヤマ・スコットはアメリカのユダヤ人コミュニティがイスラエルの占領行為を支援することを止めるよう活動している、若いアメリカのユダヤ人たちの団体 IfNotNow のリーダーである。

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