2018年5月27日日曜日

孤独は健康を損なうものである


私たちは高齢になればなるほど孤立し孤独になると考えているが、これは必ずしも正確ではない


BUSINESS INSIDER
LINDSAY DODGSON
26 MAY 2018

老人はしばしば孤独なものだと考えられている。パートナーに先立たれ、一人で暮らす。歳を取ると周囲は以前と同じようではなくなって行く。

研究によれば、孤独が如何に健康に悪影響を与えるかということが明らかにされている。

例えばある調査では、孤独でいることが、心臓病、糖尿病、認知症に関係するストレスホルモンのレベルを上昇させることが示されている。また、孤独な人は早期死亡のリスクが50%も上昇するという研究結果もある。高齢者はそれだけで健康を損なうリスクが高いので、孤独でいることになるなら更に悪いことになる。

しかし、私たちは高齢になればなるほど孤立し孤独になると考えているが、これは必ずしも正確ではない。

ユタ州にあるブリガムヤング大学で心理学を研究するジュリアンヌ・ホルト=ランスタッド教授の研究結果によれば、実際に孤独である人が最も多いのは10代と成人の若い世代であるという。教授のチームは70件の研究を分析し、65歳未満の人は65歳以上の人よりも孤独に関連した病気に罹るリスクが高いことを発見した。

同様にアメリカ社会生活・健康・加齢研究プロジェクトは、常に孤独を感じている高齢者は30%に過ぎないと述べている。

ホルト=ランスタッド教授は、孤独が健康に与える影響をまとめたニューヨーク・タイムズの最近の記事で「孤独と社会的孤立の影響について、高齢者だけに着目するべきではありません」と述べている。

彼女は加えて「社会的な繋がりが人間にとって根本的に不可欠なものであるという認識に基づけば、孤独を感じていなかったとしても、社会的に孤立していることのリスクを割り引くことはできません」と述べている。

孤独でいることと1人でいることは同じことではない。高齢者は1人でいる時間が多くなるかもしれないが、それが単純に不幸なことであるということにはならない。実際人間は周りに人がいるときでも孤独を感じることがある。また、孤独を感じている人々の多くは結婚している人であるとされる。

「独身でいることは重大なリスクになり得ます」とホルト=ランスタッド教授はニューヨーク・タイムズに語っている。「ですが、結婚している人がすべて幸せなわけではありません。私たちは人間関係を単純に存在や量で考えるのではなく、質で考えなければならないのです」

アルコール、食生活、喫煙、大気汚染などが寿命を縮めることはよく知られている。同様に、孤独であることも心理的、身体的な健康を損なう可能性があることを見逃さないようにすることが重要である。

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