2018年5月21日月曜日

インターネットの問題点は22年間変わっていない


データ収集、バックドア、ユーザー教育、2018年に問題になっていることは1996年でも同じだった


The Verge
Vlad Savov
May 16, 2018

1996年のウォール・ストリート・ジャーナルの記事が、その妥当性を取り戻す機会を待っているかのように今もウェブにひっそりと公開されている。今週その記事がTwitter上で日の目を見ることになった。これは当時あった争点と懸念事項について議論しているものだが、その中から特にインターネットに纏わる問題点を抜き出して現在に当て嵌めてみると、なんとなく不安に駆られるかもしれない。何も変わっていないのだ。1996にオンラインコミュニティやサービスに参加して起きていたトラブルに関する懸念は2018年と基本的に同じものである。

「テクノロジーの利用方法について議論が続けられている。例えばウェブを見ている人から『クッキー』を使ってマーケティング情報を収集するというようなことだ」と予言者のような当時のWSJの記者が書いている。1996年の時点で、こうした議論が確固たる態度で進行され、継続的なものとして言及できていたことに私は強く感銘を受けた。同時に、今だに満足のいく解決策を見つけられていないことに無力感を感じもした。また、「継続中」とされている議題の中にはアメリカ政府による個人情報へのバックドアアクセスの要求について記載されている。「ホワイトハウスはインターネットに強力な暗号化技術が広まることに抵抗を続けており、法執行機関や他の政府当局のための『鍵』を組み込むことを支持している」


この記事では2018年と同様に1996年時点のGDPR(EU一般データ保護規則)に相当するものについて言及されていて、「国際的な面では、いくつかの国ではオンラインユーザーの懸念がインターネットプライバシー法の制定に繋がった」と述べられている。そして、現在Facebookのデータ収集スキャンダルで明らかになったのと同じように「殆どのユーザーはインターネット上でどのような個人情報が利用可能になっているのか正確には知らないままである」という記述もある。

この記事は既にアメリカで飲酒が可能になるくらいの年齢になっているが、極めて正確に今日の私たちがインターネットを利用する上での複雑な問題点を表記している。この記事は、iPhone、iPadよりも前、Googleが存在する前、私たちの生活がディスプレイとカメラがついていて何時でも何処でも高速にネットワーク接続された携帯端末で溢れる前のものなのだ。

現在、巨大な数十億ドル規模のテクノロジー企業がこうした問題について未知のことだと主張し、予期できなかった固有の課題に直面しているのだと主張しようとしているが、1996年の出来事が書かれているこのWSJの記事を彼らに見せてあげることを誰かに覚えておいて欲しい。

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