2018年5月12日土曜日

コスタリカが世界初の化石燃料フリー国家化を計画


世界にはもっとコスタリカが必要だ


EARTHER
Brian Kahn
May 11 2018

もしあなたが、この暗く惨めな世界で気候についての希望の光を求めているならコスタリカを見ればいい。この国は二酸化炭素の排出国としては世界の中で小さな一部だが、世界の気候変動に対する野心の99%を請け負っているような国だ。その一例として今週、同国の新大統領は2021年までにコスタリカを化石燃料を使用しない国にするという計画を発表した。

コスタリカは2008年に、2021年までに炭素中立化、つまり二酸化炭素の排出比率をゼロにするという計画を発表をしている。これは、熱帯雨林が二酸化炭素を吸収してくれることに依存したものだ。今回、化石燃料の使用を完全に止める希望を明言したことは、更に野心的な一歩を踏み出したことになる。

水曜日、カルロス・アルバラード大統領は大統領としての最初の演説で「脱炭素は私たちの世代に課せられた偉大な任務であり、コスタリカはそれを達成する最初の国の1つにならなければなりません」と述べた。「私たちは、私たちの経済基盤の上で、化石燃料の使用を止めて清潔で再生可能なエネルギーを利用する道を切り拓くという壮大かつ美しい任務を負っているのです」

ラテンアメリカ諸国には気候変動への取り組みに積極的な国がいくつかあり、コスタリカもその1つである。多くの意味で、コスタリカは未来に起こりうる問題についてこの地域を牽引している。

コスタリカは既にエネルギー系統は基本的に脱炭素化されていて、再生可能エネルギーで必要量の99%が補えている。コスタリカは昨年、300日を再生可能エネルギーからだけの電力で間に合わせており、その大部分は水力発電によるものだった(ダムとメタンについてはいくらか問題があるが、それは別な記事を参照)。

化石燃料の禁止はコスタリカにおける温室効果ガスの最大の排出要因を狙ったもので、それは輸送交通機関に他ならない。世界資源研究所が収集したデータによると、コスタリカの排出量の35%が輸送交通によるものであるという。元国連の気候問題担当主任でコスタリカ人であるクリスティアナ・フィゲレス氏は輸送交通を同国の排出量削減における「アキレス腱」であるとする。

化石燃料の利用を削減し、電気自動車の充電施設を建設することは温室効果ガスの排出量を削減する最も確実な方法の1つである。ノーベル賞受賞歴のある経済学者ジョセフ・スティーグリッツ氏はコスタリカ政府と共にこの方法論に自信を見せており、アルバロ・ケサダ大統領が化石燃料からの脱却を宣言したのと同じ日にガーディアンに寄稿している:

コスタリカは既に環境に優しい状態なので、他の国ように炭素排出税を上げる必要はないかもしれない。しかし、事実上同国全土の電気がクリーンなので、電気自動車へのシフトは二酸化炭素排出量を削減するという意味では非常に効果的である。炭素に関する税制は、コスタリカが電気自動車が支配的になる最初の国となり、炭素中立化された経済基盤を達成するという目標に近づく助けになるかもしれない。

インデペンデントが伝えるところによれば、アルバロ・ケサダ大統領はできることを示すために、大統領としての最初の日、サンノゼに水素燃料駆動のバスで移動してきたという。コスタリカ政府も新しく電気自動車を導入し、計画を着実に進めているところを見せている。

まだ具体的な政策の詳細がないため、コスタリカ政府が3年で化石燃料を利用エネルギーの中から完全に除去することができるかどうかはよくわからない。この期間内にガソリン車を退去させ充電施設を充実させることは困難な目標である。自家用車が急増していて、地域内だけでなく観光客を乗せて国を跨いで移動する巨大なバスのネットワークが存在する状況では尚更のことだ。

脱炭素化には全ての国による壮大な挑戦が必要になる。世界の0.03%の温室効果ガスを排出しているコスタリカにとっては、化石燃料から輸送交通機関を解放することが大きな挑戦である。

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