Twitter bots produce 66% of all links on Twitter, but they’re mostly just aggregation, sports, and porn. https://t.co/C7P0jZE2Ge— Vox (@voxdotcom) April 10, 2018
Twitterではボットがリンクの66%を作り出している。その殆どが、所謂まとめサイト、スポーツ関連記事、そしてポルノ。
Vox
Aja Romano
Apr 9, 2018
あなたがソーシャルメディアが実はボットが他のボットと対話している広大なネットワークなのではないかと疑っているなら祝辞を述べたい。その世界観は多少悲観的ではあるかもしれないが、完全な間違いではない。
新しい調査によればTwitter上では少なくとも共有されたリンクの3分の2がボットによって自動的にツイートされたものだとされる。
ピュー研究所の調査では、2017年に47日間に渡りTwitterに於けるリンク共有の基盤構造を明らかにするために100万を超える英語のツイートを調査した。
この調査では約120万のツイートされたリンクを分析したが、これらは全部で140,545のTwitterアカウントによって投稿されたものだった。そして、そのツイートの66%がボットによるものだった。最も頻繁にリンクされていたのはポルノとスポーツであり、成人向けコンテンツへのリンクの90%、スポーツ関連のリンクの76%が人間ではないボットによって投稿されたものだった。
ジャンルによってボットの割合が多くなるものがあり、注目すべきはまとめサイトへのリンクは89%がボットによるものだと見られているところだ。
驚くべきことに、所謂ロシアのフェイクニュースボット部隊の時代であるが、ピュー研究所の調査ではボットがツイートするリンクの殆どは比較的無害なもののようである。私たちの分断される政治状況は、まだTwitter上に共有されるリンクを歪んだものにさせていはいないようだ。
ボットは効果的だが党派性は薄い
ピュー研究所の調査では、Twitterでのこのボット人気の理由として極めて効果的であることを挙げている。
調査員たちは少数の活発なボットが大量のリンクを共有していることを発見した。調査期間中に共有されたニュースとイベントについての全てのリンクの22%が500のアカウントによるもので、それらはすべてボットであることが疑われるものだった。「比較として、最も活発な500の人間によるアカウントによって共有されたリンクはより少数の割合(約6%)である」とこの研究では述べられている。
この研究ではボットによるリンク共有が拡散されやすいのかどうか、人々がどの程度ボットがツイートしたリンクに反応しているかは評価されていない。Twitter上で偽情報が広がる速度についての最近の調査と考え合わせると、ボットの効率性がフェイクニュースの拡散に大きな役割を果たしていると考えるのは自然なことだ。
しかし、実際ボットはフェイクニュースを広めるのに重要な役割を果たしてはいないように見える。Voxの科学担当記者ブライアン・レスニックは「ボットは偽情報も真実の情報も均等な割合で広めているように見えます」と分析する。つまりフェイクニュースが現れてから速く広く拡散されるのは人間の手によるものだ。
ピュー研究所の調査で観察されたボットの多くは政治的な偏りも示しておらず、党派性のある人ではなく中道的な聴衆を対象にしてリンクを共有しているように見える。そして実際、ニュースやイベントなどについてのリンクの中で、政治は最もリンクされる頻度が低いジャンルだった。
ボットを選り分ける
どのTwitterアカウントがボットであるのかを明らかにするために、この研究ではインディアナ大学によって開発された「ボトメーター(Botometer)」と呼ぶツールを利用した。このツールのアルゴリズムはTwitterアカウントのプロフィール、ツイート、メンションから情報を収集して1000以上の要素を元にアカウントを分析するというもの。
これにはアカウントユーザーの気分、ユーザーが特に投稿する時間帯、投稿の量、誰をフォローしているか、誰をフォローバックしているか、等の多くの要素が含まれている。ボトメーターはアカウントのユーザーがボットである確率を示してくれる。(これを書いている筆者は31%の確率でボットだった)
ボトメーターを用いていくつか実験を行った結果、ピュー研究所はボトメーターのスコア43がそのTwitterアカウントが人間か自動ツイートかのしきい値になると判断した。言い換えると、ボトメーターが出した数字が43%かそれ以上ならそのアカウントはボットであると考えられる。
ピュー研究所の調査員たちは、この調査でボットと判定されたアカウントのうちいくつが、最終的にTwitterによっておそらくボットであると判定され停止されたかも観察した。追跡調査した140,545のアカウントのうち、7,226が最終的に停止され、この調査でボトメーターによってボットと認定されたアカウントは人間と認定されたアカウントよりも4.6倍の高さの確率でTwitterに停止されていた。
この調査からボットについてわかることは何か?
ピュー研究所の副所長アーロン・スミスはプレスリリースでこの研究について「ソーシャルメディア環境の中でボットの果たしている役割の重要性や広がりの程度」を定量化するのに役立つと指摘している。ボットは非常に効果的であり、ボットであることもわからないこともあるため、ユーザーはボットがソーシャルメディア上でリンクを共有している量だけでなく、意図と目的も認識しておくことが重要である。この調査が対象としたTwitterのボットが共有するリンクは主にまとめサイト、中立的な情報で中道的な聴衆を対象にしている傾向があるようだ。
これらは全て比較的無害なものに見えるが、自動化されたアカウントによって膨大な数のリンクが共有されていることは、デジタル活動とソーシャルメディアが如何に現実離れしたものになっているかを実感させられる。結局、この研究を見ただけでもTwitterアカウントが本当に自動化されたボットかどうか判定するためにネット上で訓練されたアルゴリズムを用いて自動化されたプロセスが必要になっている。良く言えば映画ブレードランナーっぽい、というところだが、悪く言えばロボットによる侵略が進んでいる兆候とも言えるだろうか。
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