Elon Musk successfully cosplays as a normal car company CEO https://t.co/hZuCN2rPXN pic.twitter.com/oox28zx730— The Verge (@verge) October 26, 2018
この筋書きはいつまで続くのだろう?
The Verge
Elizabeth Lopatto
Oct 26, 2018
正直に言ってテスラを見ているのはテレビのリアリティショーを見るよりもずっと面白い。
イーロン・マスクはこの第3四半期に色々と墓穴を掘っていたにも関わらず、テスラはこの四半期に利益を計上した。テスラによるショーはなんとも魅力的だ。できれば、マスクがアジーリア・バンクスとやり合っている裏で静かに黒字化の仕事をやり遂げた人々についてのストーリーも見てみたかった。
I'm sorry, but the Tesla show is good.— Joe Weisenthal (@TheStalwart) August 1, 2018
とにかく、テスラが最後に利益を計上した四半期は2016年のことだったが、前四半期には68億ドルの収益を記録し、3億1100万ドルというこれまでで最大の利益を計上した。同社はこれまで年間で利益を計上したことはないが、現在のモデル3の人気を考えれば今後更に利益を生み出す可能性がある。収支報告会によれば、テスラは中国と欧州からの受容にも応えようとしており、来年までにこれらの市場からの注文(と利益)を受けようとしている。そしてバランスシートを見ると、テスラは現在銀行に約30億ドルを保持しているので、少なくとも今すぐの資金調達は必要ないというマスクの主張が正しかったことが示されている。しかし彼はこの状況は変わるかもしれないとも収支報告会で述べている。
収支報告会でマスクが普通の CEO のコスプレをしているのを見るだけでも素晴らしいエンターテイメントで、まるで訓練されたサーカスの猫がジャンプして輪をくぐり抜けるのを見ているようである。猫をそこまで仕込むのはどのくらい大変なのかご存知だろうか。もちろん不可能ではないのだが、よほど猫が餌に飢えている必要がある。
そして少々奇妙なことが起きていた。例えば、マスクはモデル3の出荷にボランティアとして協力してくれたテスラのオーナーたちのことを考えると胸が詰まると話していた。マスクが涙ぐむのは珍しいことではないが、これは普通の CEO が収支報告会でとる行動ではない。そして、出荷をボランティアに手伝ってもらう営利企業は他に知らないということも言っておくべきだろう。しかし、テスラ関連の奇妙さのスケールはこの程度では収まらない。
マスクとテスラの重役たちは利益を出した前四半期について勝利の演説を行う代わりに、ジェイムズ・マードックが取締役に加わるかどうかの話題(この件についても質問があったがマスクは答えなかった)以外について、あらゆることを陽の目に晒すべく話していた。
少し自由な雰囲気になり、カーシェアリングについては、GM の Maven(メイヴェン)と似たような形のサービスは計画してはいないが、神様レベルの完全な自動運転(レベル5と称される)の実現次第であることを話している。マスクはこの収支報告会で Uber、Lyft、AirBnB を一緒にしてかなり話をしたが、とりとめのない話になっていた。これはテスラでは普通のことである。
この四半期には、これまでマスクがしてきた中で「最も普通の自動車会社の重役」らしいことが含まれている。まず、モデルYを発表したこと。これはテスラの SUV で最終的な試作品が既に承認されているという。そしてマスクはセミトラックと新ロードスターについて、両方とも進歩させているところだと話している。マスクが自身で発言して興奮していたのはピックアップトラックについてだった。現在ではセダンよりもトラックの方が勢いのある市場になっている。フォードやフィアットはセダンの販売を取りやめ、トラックと SUV に注力している。テスラのモデルYとピックアップトラックは流行に乗ったものだ。これは殆どノームコア(究極の普通)だとも言える。
この四半期の利益を勝ち取ったことで、テスラが全てのリスクを排除できたわけではない。ギガファクトリーの増強でギガファクトリー周辺に更に支出が増えるリスクがある。工場の拡張には多くの資金が必要で、テスラはこれまでは借金をして実現している。テスラは多額の借金を抱える唯一の会社ではないが、この点は間違いなく注意すべき所だ。
しかし、今回の収支報告から受け取れる主なメッセージは、マスクが真っ直ぐに飛び立とうとしている、ということのように見える。彼のおかしなところ、「資金は確保した」のツイート、救助ダイバーを小児性愛者呼ばわり、ジョー・ローガン・ショーでウイスキーと大麻、こうした部分はトーンダウンしている。彼は、彼のことを「気まぐれ」だと言う周囲からの言説と戦おうとしていない。公然と無視し、公正に責任を負っているところを見せている。このことは今年のジェットコースター状態に神経質になっていた投資家たちを安心させる可能性が高い。
i🖤anime— Elon Musk (@elonmusk) October 22, 2018
マスクの態度の良さは収支報告会だけに限定されたものではない。第3四半期にはテスラのリスクになり得ることを証明した彼のツイッターアカウントも落ち着いたものになっている。彼は、ツイッター上で彼を騙った人を参照してアニメとビットコインについて皮肉を込めたジョークをツイートしたせいで、一時的にアカウントがロックされていたと自分で話している。マスクはツイッターでは所謂ダンクミームを求めているようで、これは会社の CEO としては奇妙だが、マスクの基準からすれば普通のことである。さて、この筋書きはどのくらい長く続くことになるのだろう。
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