Ford Mustang ad banned in the U.K. for "encouraging unsafe driving" https://t.co/BqdCgk53Di pic.twitter.com/zJazCcMLvX— Jalopnik (@Jalopnik) October 25, 2018
「危険な運転を助長している」とされるが、このコマーシャルはマスタングの暴走シーンを纏めたようなものではない。
Jalopnik
Alanis King
Oct 25 2018
英国の広告規制当局は水曜日に新しいフォード・マスタングのテレビコマーシャルを「危険な運転」を助長しているという理由で放送を禁止すると発表した。しかしこのコマーシャルはマスタングの暴走シーンを纏めたようなものではない。有名な詩「Do Not Go Gentle Into That Good Night(あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない)」の朗読に合わせて「怒り」について描写したものだ。
規制当局(Advertising Standards Authority[ASA:広告標準局])は同じ日に日産とフィアットのコマーシャルについても放送禁止措置を発表している。日産についてはマイクラ(Micra)を「過度の速度で運転して」見せることで「危険な運転を助長している」と ASA は述べている。フィアットについてはスピードに焦点を合わせ過ぎているとし、「レースを含む運転の描写でドライバーに無責任な運転をさせることを許すか奨励している」としている。
しかし、フォードのコマーシャルに対する禁止措置が最も興味深い。フォードはマスタングのコマーシャルにディラン・トーマスが1947年に書いた有名な詩「あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない」の一節の朗読を用いている。このコマーシャルでは、単調な仕事の長い1日の後にマスタングが駐車場から出て加速していく前に「Rage, rage against the dying of the light,(死に絶えゆく光に向かって憤怒せよ、憤怒せよ)」という一節が朗読される。
この詩は来るべき死に対して静かに受容するのではなく怒り表すことを綴ったものである。しかし、フォードはこれを、同じことの繰り返しで不自由な毎日の生活、そして(むしろ壊れることでもなければ)同じように繰り返しで不自由な公共交通機関など、私たちを苛立たせるものについて向けている。そしてもちろんマスタングがそうした不自由な繰り返しから解放してくれるのだ、だからマスタングを買って欲しい、とフォードは考えている。
The Drive がこのコマーシャルの動画を YouTube から発見していた。
ASA はこれについて12の問題点を指摘し、フォードのコマーシャルは「マスタングを運転することで怒りを解放させること」を描写することで「攻撃的な運転をすること」を人々に助長していると見做している。同局はフォードに対し今後、現在の形でこのコマーシャルを放送してはいけないこと、そして、将来的にもコマーシャルで「怒りを和らげる手段として運転を描写すること等、危険な運転を助長するようなことはしてはならない」と述べている。
ASA は丁寧にもこのコマーシャルで、怒りとその怒りを解放する必要性を表した部分、そして、その状態で人が道路に出ることが良くない理由を列挙している。まるでコマーシャルを見ている人はみんなそれを鵜呑みにしてそのまま生活に持ち込むと考えてるかのようだ(もしそういう人が本当にいるならやめた方が良いだろう)。
ASA の発表文書によると
ASA はこのコマーシャルで以下のシーンが描写されていたことを確認している。男性がエレベーターに乗ろうとした時に、他の人が彼の前に入り男性は不満を表現している。この男性はエレベーターが自分が押した階に止まらなかったことで不安を表現している。他のシーンでは、電車に乗っていて足を踏まれた女性、コーヒーを零した男性、このいずれもショックと苦痛の表情を表している。更に別なシーンでは、同僚が部屋に入ってきた時に笑顔だった女性は、同僚が仕事を置いていくとすぐに不快な表情に変わった。コピー機のボタンを押しているが動作させることに苦しんでいる男性は、その問題に対する不満を手を使って表している。
またこのコマーシャルでは会議室に座っている若い男性が彼の前に立って叫んでいる年長の男性と対峙している場面が描写されている。年長の男性は手で机を叩き、若い男性に向かって不満を表している。このシーンを通じて若い男性の表情は厳しい目つきと唇の動きで年長の男性に対する怒りを表し、深く息を呑んで顎を引き手に持った鉛筆を折ったことも同様である。
我々はこのコマーシャルのこうした場面は、人々が苦しい状況に置かれ特別に困難な経験により怒りを感じているところを描写しているものだと認識する。
普通の人なら「もうわかった、君の勝ちだ」と言いたくなるようなものなので、一番最初の部分は気にならなかったのか、などという質問が彼らに送られることはないだろう。
いずれにせよ、このコマーシャルは面白いものだった。少なくとも「rage, rage(憤怒せよ、憤怒せよ)」のリズムは今後マスタング愛好家のミーティングでジョークに使われるかもしれない。
欧州フォードの広報は Jalopnik にメールでコメントを送付してくれた。フォードには「危険な運転を助長する意図は全く無く」、このコマーシャルの撮影中には車が安全に運転されていることを見せるために注意を払っていたという。そして、撮影中にマスタングの速度が15mph(約25km/h)を超えることは無かったと記している。
「私たちはこのコマーシャルで、典型的な職場での1日とオフィスでの生活と通勤についての不満を表現し、後半は1日の仕事の終りと退屈な仕事から解放される瞬間を象徴させています」
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