2018年8月6日月曜日

猛暑でスウェーデン最高峰が縮む


スウェーデン最高峰ケブネカイセ南頂が雪と氷が溶けて低くなっていることが計測される


Science Aleart
DAVID NIELD
4 AUG 2018

ケブネカイセ連峰のには2つの頂上、北頂と南頂があり、そのうち南頂がスウェーデンの最高峰だが、もしかするとその権威はもう長くは保たないかもしれない。特に暑かった1週間の後、この山は縮み始めている。

実際、この氷雪で覆われた南頂では、この一ヶ月のうちに雪と氷が4メートル分溶けていて、平均すれば一日に約14cm溶けていることになる。既に岩でできて北頂よりも低くなっているかもしれない。

この山の高さは気候によって絶えず変化しているが、スウェーデンと欧州全土のこの夏は特に暑い日が続いている。7月の猛暑で多くの国の記録が更新され、平均気温は摂氏3-5度通常より高かった。

「今年の夏ほど南頂で雪がたくさん溶けているのを見たことはありません」とスウェーデンのストックホルム大学のガンヒルト・ニニス・ロスキヴィストは語る。彼女はケブネカイセにあるタルファラ調査所を指揮している。

ロスキヴィストと彼女のチームによる計測では、南頂の高さは7月2日の時点で標高2,101メートルだった。それが7月31日には標高2097メートルになっていた。一方で氷に覆われていない北頂は標高2096.8メートルである。この20cmの差は最後に計測したとき以降に無くなってしまっているかもしれない。

「現在は非常に速くなっています」とロスキヴィストは語る。「暑い夏の結果として、雪と氷の山が失うものは大きいのです」

頂上の高さは山頂に常設されているGPSを利用して、差動GPSシステムで計測されている。この誤差は2cm以内である。この計測は1880年から記録されてきている。

気温の記録は世界中で塗り替えられ続けているが、スカンジナビアでも異常な高気圧に覆われる状態が繰り返されている。調査によれば、この特別な熱波は気候変動が進行している影響により2倍になっているという。

スウェーデンとその周辺国では暑く乾燥した気候で山火事も引き起こされていて、北極圏まで炎が達している。これはごく最近だけの現象ではない。大気中の温室効果ガスの増加によって引き起こされる気候変動と矛盾しない極端な気候と地球の温暖化により、毎年毎年記録は塗り替えられている。

次回のケブネカイセの山頂の計測は溶ける季節が終わると考えられる夏の終わりの時期に予定されている。こうした極端な気温が続く状況の中では、過去の常識は最早通用しなくなってきているようだ。

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