2018年2月11日日曜日

テスラを宇宙に送り込むのはそれほどバカげたアイディアではなかった


そこにはイーロン・マスクなりの狂気の方法論がある


The Verge
Vlad Savov
Feb 7, 2018

世界を自分の遊び場のように扱っている勘違いした大金持ちに対する本能的な不信感があるのかもしれないが、私はイーロン・マスクの様々な宇宙関連のプロジェクトを疑わしく思っている。彼はすべてを少々楽しみすぎているように見える。彼のわけの分からないアイディアの中で最新のものは昨日の歴史的なファルコン・ヘビー・ロケットの打ち上げでテスラを宇宙に送り込むという考えだった。私はこれはまたただの熱に浮かされたお遊びだと考えていた、しかし地球を掠めて飛んでいる映像を見て突如として腑に落ちた。


イーロン・マスクは私たちの時代のセールスマンの大家である、彼は科学をすべての人々にとって魅惑的で刺激的なものにする完璧な方法を見つけ出したのだ、それがテスラ・ロードスターだった。人的要素なしではロケット発射の爆発ですら慣れてしまった退屈さを感じ始めている、特に壮観なものや浮世離れしたものに簡単に触れることができる今の世代にとってはそうだ。なので、マスクは、想像力に再び火をつけるために、光沢のある赤い電気自動車のスーパーカーではどうだ?と言っているのだ。

そしてそれだけではない、この打ち上げ全編がYouTubeで1080pの高画質で様々な視点からライブ配信されていた。配線基板には「Made on Earth by Humans」と書かれていてダッシュボードには「Don't Panic」というメッセージが表示されるという遊び心も伴っていた。スピーカーから鳴り響くデビッド・ボウイを聞きながら左腕を無頓着に車のドアからだらりと下げている宇宙服を着た人形で完璧に仕上がった。これはイケてる方面に役立つ科学だ。

マスクにとってはこの冒険全体が彼のブランドを共生させる完璧な手段になっている。彼の会社スペースXは宇宙旅行を促進するのに役立つ光り輝く注目を集めることになり、彼の自動車会社テスラは宇宙で最速の車を持っていると主張することができる。ロードスターの滑稽な宇宙行きについての悪いジョークは既に溢れていて、それに加えてこの華やかさは最近のテスラのモデル3の生産遅延から注意を逸らす役に立っている。これは私たちが長い間見てきた中でも最も偉大な宣伝活動であると言える。

2008年にスティーブ・ジョブズがあの初代のMacBook Airをマニラ封筒から取り出して見せたのと同じで、ファルコン・ヘビー・ロケットに搭載されたテスラはこのイベントを印象的なものにするために必ずしも必要なものではなかった。しかしこの車の存在と名人によるプレゼンテーションはイベントを高尚なものにして、私たちの多くが鮮明に記憶することになり、宇宙を通じた楽しさは私たちにこの偉業を思い出させ続けることになる。他の日なら打ち上げに成功したファルンコン・ヘビーから帰還した双子のロケットの着地がこの日のメインイベントだったはずだった。しかしこの日は車が打ち上がっていったことでみんなをびっくりさせたのだ。

私たちが昨日見たものはインターネット世代にとって月面着陸のようなものだ、そして宇宙に行ったロードスターはこの偉業の象徴として崇拝され続けることになるだろう。

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