2019年7月20日土曜日

ザ・シムズには常に同性愛が含まれている理由が初期の設計文書から明らかにされる


情報の宝庫とも言えるような設計文書が明らかにされ、ザ・シムズが最も愛されるゲームシリーズの1つになった理由を垣間見ることができる。


VICE
Matthew Gault
Jul 19 2019

ザ・シムズ(当初の日本名シムピープル)を開発した Maxis は、当初ゲームに登場するシムに英語を喋らせたいと考えていた。だが、技術的限界で実現できず、最後の手段としてわけのわからない謎の言語である「シム語(Simlish)」を喋らせることにした。この言語はナバホ語やエスペラント語が基礎になっている。このエピソードは、ザ・シムズのプログラマーでアーティストであるドン・ホプキンスが今週初めに公開した、ザ・シムズの設計文書動画によって明らかにされた多くの裏話の1つである。

1998年の8月から10月まで繰り返されたザ・シムズの設計作業に関する4つの文書が公開され、そのうちの1つには手書きのメモが付せられている。シム語が固まる前には、開発チームはいくつかの言語を参考にしていて、ネイティブのウクライナ語とエストニア語の話者を連れてきて話を聞いたりしている。

これらの文書にはザ・シムズ・シリーズで最初の論争になった同性愛関係についての記述も見られる。当時、Maxis は「シムコプター」にLGBTQのイースターエッグを組み込んだ件でゲイのプログラマーを解雇した後で、同社が同性愛者を嫌悪していると申し立てられることを心配していた。「シム同士の関係全体についての設計と実装… は異性愛と同性愛である」と文書には記されている。「シムコプターの大失敗と、Maxis は同性愛を嫌悪してはいないと明言した直後なだけに、私たちにはより良い対応が期待されている」

ホプキンスは Twitter で開発初期にシム同士の関係を設計するために使われた関係ツリーを公開している。また、YouTube では、ザ・シムズ・ステアリング・コミッティーで使われた初期のゲームの様子を公開し、それについてホプキンスは「私たちはこれをEA内部に配布して、この可哀想な小さなゲームがキャンセルされないように説得したのです」と述べている

ビデオゲームの設計文書が公開されるのは極めて稀なことで、それも今でも人気があり愛されているザ・シムズのようなゲームのものであれば尚のことだ。メモ、アイディア、スケッチが書かれたページを見ると、細部までの拘りと更に洗練されたものを見据えていて、最も愛されるゲームシリーズの1つを生み出した発端が伺える。

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