2019年8月2日金曜日

オランダでブルカとニカブを禁止する法律が施行


禁止が施行されても、病院や公共交通機関はそうした女性にサービスを拒否することはないと話す。


Al Jazeera
1 Aug 2019

オランダでイスラム教徒の女性の服装についての物議を醸す法律が施行され、公共施設や交通機関でブルカやニカブのような顔を覆う服装が禁止された。約1700万人の人口を持つオランダでブルカやニカブを着用している女性はおおよそ100人から400人と見られている。

「これからは教育施設や公共機関の施設内、及び病院や公共交通機関に於いて顔を覆う服装は禁止されます」という声明をオランダ内務省は木曜日に出している。この法律は10年を超える政治的議論の末、昨年の7月に成立した。フルフェイスのヘルメットや防寒用の所謂目出し帽にも同様に適用される。

治安当局は今後、顔を覆った服装の人に対して顔を確認することを要求するようになる。仮にこれを拒否した場合、公共施設の利用を拒否することができ、150ユーロ(165ドル)の罰金を課することもできる。だが、公共交通機関部門は、運行を遅延させることになるためブルカの女性を引き下ろすようなことはしないと述べていて、この法律がどの程度厳格に遵守されるのかは明らかになっていない。賛否両側ともこの法律の強制力は警察次第になると見ている。

イスラム教徒団体や人権団体はこの法律に反対してきた。この法律を「顔を覆う服装の人を狙った不公平な禁止事項」だとしている。ロッテルダムに拠点を置くイスラム系政党 Nida は、この法律に違反した人に代わって罰金を払うつもりだと述べ、そのための口座を開設している。


「次の狙いはヘッドスカーフ」


Nida のリーダーであるヌウルディン・エル=オウアリは、この禁止事項は遥か広範囲にまで影響を及ぼすため、信教の自由と行動に自由に対する「重大な侵害」を招くことになると話している。

「この法に従うなら、該当する人たちは地下鉄にもバスにもトラムにも乗れません。病院に行くことすらできませんし、学校にも行けません、警察署に訴えに行くこともできません」と彼は Hart van Nederland のウェブサイトで話している。

「疑問なのは、この法律で1700万のオランダ人にとってのどんな問題が解決されるというのですか?」とエル=オウアリは、オランダでは数百人の女性がニカブやブルカを着用している以上のことは何もない、と疑問を呈している。「彼女たちの数は極少数です。この件について聞かれた時に宗教的信念からニカブやブルカを身に着けているのだと説明するのは多くの場合女性たちです」

エル=オウアリは、ニカブやブルカを着用した女性を見た時に、自分の手で法律を実行することができると感じる人が現れることを危惧している。「『地面に抑えつけて警察を呼ぼう、自分にはその権利があるんだ』と考える人がいるかもしれません」と彼は言う。

保守系紙 Algemeen Dagblad は水曜日の社説で、禁止された服装をしている人を発見した時の対処法を説明して怒りを買った。この「対処法」には市民による逮捕も含まれている。


オランダの新聞 @ADnl は、明日から禁止になるブルカの着用者を発見した場合の対処法を説明しています。彼らに「去れ」と言うこと、警察に通報すること、そして、市民による逮捕の権利を行使することを提案しています。当然ながらウィルダースはこのアイディアを気に入っているようです。

木曜日の朝に新しい法律の下で即座に誰かが罰金を課されたというような報告は入っていない。

反イスラムの政治家ヘルト・ウィルダースは2005年に顔を覆うヴェールの禁止を提案しており、今回の限定的な禁止の施行を「歴史的な日」として歓迎し、対象をヘッドスカーフにまで拡大することを呼びかけている。「今、私たちは次のステップに進むべき時なのだと信じています」とワイルダーは The Associated Press の電話取材に応えて述べている。「次のステップとは、オランダでヘッドスカーフを禁止することです」

オランダ政府はこの部分的な禁止はいかなる宗教や、人々が望む服装をする自由を標的にしたものではないことを強調している。今回のオランダの法律は、2010年に施行されたフランスの法律異なり、一般の通りでブルカの着用を禁じるものではない。ベルギー、デンマーク、オーストリアにも似たような法律が存在する。

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