2019年8月24日土曜日

生の鶏肉を洗うのは危険


ヌルヌルした生の鶏肉は私たちのキッチンに至るまで何をくっつけてきたのだろう。だから、調理前に水で洗うのは理に適っている? それは間違っている。


Science Alert
TESSA KOUMOUNDOUROS
24 AUG 2019

米国農務省(USDA)とノースカロライナ州立大学による新しい報告書では専門家たちには既に知られていたことが裏付けられている、生の鶏肉を洗うのは食中毒の危険性を増大させる。

生の鶏肉にはしばしば危険なバクテリアが付いている。サルモネラ菌ウェルシュ菌カンピロバクター属菌などである。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、こうした細菌による食物媒介性の疾患は毎年アメリカ人の6人に1人が罹患しているという。

生の鶏肉を洗ってもこうした細菌を除去することはできない、火を通せばいなくなる。調理前の鶏肉を洗うことは単に危険な微生物を撒き散らしているだけで、水と一緒に飛んでスポンジなどの台所用品に付着する可能性がある。

「この研究では、鶏肉を洗った後にちゃんと周囲を掃除したと考えられるような場合でも、バクテリアは周りにあるものや食べ物にも散らばっていることが示されています」と農務省のミンディ・ブラッシャーズは説明する。

この調査では、300人の参加者を募集して2つに分け、それぞれに鶏のもも肉の料理とサラダを作ってもらった。片方のグループには鶏肉を安全に調理する方法を前もってメールで示してある。生肉を洗ってはいけないこと、生肉は他の食材とは別なまな板で切ること、そして正しい手の洗い方などである。

しかし、もう一方のグループには大学の研究であることだけ伝えられ、上のような知識は伝えていない。

参加者の全員が過去に鶏肉を洗ったことがあると認めている人である。その理由は、習慣で、ヌルヌルを取るために、あるいは家族がやっているから、などだ。研究者たちは、誰にもわからないように鶏もも肉には無害だが追跡可能な大腸菌を付着させておいた。

メールによる予備知識は鶏肉を洗うことについて効果的で、その知識を得ているグループは93%の人が生肉を洗おうとはしなかった。だが、そうでないグループでは61%が生肉を洗い、彼らが使ったシンクは後に掃除をしてもらった段階でも汚れていた。


そして、生の鶏肉を洗った人の26%が作ったサラダには大腸菌が残存していた。

だが、研究者たちを驚かせたのは鶏肉を洗わなかったとしても多くのバクテリアが撒き散らされていることだった。生の鶏肉を洗わなかった人が作ったサラダにもそのうち20%に大腸菌が残存していた。

これについては、参加者たちが、手、調理台の表面、調理器具等を正しく消毒していなかったことが理由として考えられている。そして肉を安全に調理するために以下の方法が提唱されている。

  • 肉の準備は最後に回して、先に果物や野菜を準備するようにすること
  • 生肉には専用のまな板を用意すること
  • 生肉は洗わないこと
  • 生肉に触れた場合は少なくとも20秒程度石鹸で手を洗うこと
  • 料理用温度計を利用して、鶏肉は食べる前に温度を最低でも摂氏73度(華氏165度)まで上げること

「生肉を洗ったり濯いだりするのは、バクテリアをキッチンの中に撒き散らすことになり危険性を増大させます」と農務省のカーメン・ロッテンバーグが注意を促している。

「ですが、生肉に触れた手はすぐに20秒間洗わないと同様に危険になります」

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