2019年8月14日水曜日

サウジで収監されている活動家が「拷問の否定」の取引を断る


サウジアラビアで収監されている女性権利活動家ルジャイン・ハズルールは、勾留中の拷問を否定すれば釈放するという提案を拒否したと彼女の家族が伝えている。


Al Jazeera
14 Aug 2019

サウジアラビアで収監されている著名な女性権利活動家であるルジャイン・ハズルールは、勾留中の拷問を否定する声明を述べるビデオへの出演と引き換えに釈放するという取引を持ちかけられたが断ったと彼女の家族が述べている。

「最近、サウジアラビア当局の担当者が妹のところに訪れている。彼らは彼女に拷問と嫌がらせを否定する動画に出演することを要求した」と彼女の兄であるワリド・ハズルールがTwitterに投稿した。「それは釈放の取引の一部だった」

この件についてサウジアラビア当局から特に反応は出ていない。

ルジャインは最近刑務所の中で30才の誕生日を迎えた。彼女は昨年拘束され、現在裁判にかけられている女性活動家たちの1人である。彼女たちの長い間のキャンペーンによって、昨年サウジアラビアでは女性が車を運転することが認められていた。

ルジャインは勾留者の中でも尋問中の拷問とセクシャル・ハラスメントを告発した数少ない1人であり、この訴えは政府によって激しく否定されている。

ワリドはTwitterで、ルジャインは当初、釈放の条件として拷問を受けたことを否定する文書にサインすることに合意していたと述べている。彼女の家族はこの取引を隠そうとしていた。だが、サウジ当局は最近になって彼女に対しビデオで証言することを要求してきたという。

「ビデオに出演して拷問を否定するというのは現実的な要求とは思えません」とワリドはツイートしている。「当局が彼女にビデオ出演に関する書類にサインを求めた時、彼女は即座にその書類を破り捨てました。彼女は彼らに対し、この文書にサインさせることで、あなたたちは隠蔽に関与することになる、そしてあなたたちは拷問を監督していたサウド・アル・カータニを弁護したいだけなのだろう、と伝えました」と彼は書いている。

ハズルール兄妹は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の上級顧問であり、ジャーナリストのジャマル・カショギの殺害にも関与したとされるアル・カータニが拷問の場に居合わせ、彼女に対して強姦及び殺害の脅迫をしたと主張している。

サウジの検察は調査を行い、この主張は虚偽であると結論づけている。

彼らの妹であるリナ・ハズルールは、これとは別に彼女の姉が拷問の存在を否定するように圧力をかけられていると述べている。「ルジャインは取引を提案されています。拷問を否定すれば釈放するというものです」とTwitterに投稿している。「何が起ころうとも私は(もう一度でも)証明してみせます。ルジャインは残虐な拷問を受け、性的嫌がらせも受けています」


強姦と殺害の脅迫


権利団体によると、現在裁判にかけられている女性活動家たちに対する嫌疑は、サウジアラビアのサイバー犯罪法によるもので、最高5年の懲役刑が定められている。ルジャインにかけられている嫌疑は、サウジアラビア国内で15〜20人の外国人のジャーナリストと接触したこと、国連に仕事を求めたこと、デジタル・プライバーに関するイベントに参加しようとしたことであるとワリドは述べている。

過去2年の間に、政府に反対する可能性のあるものを排除するために、多くの活動家、知識層、イスラム指導者たちが逮捕されている。逮捕された女性たちの一部は、人権運動に関わったことや国外のジャーナリストや外交官と接触した罪に関連していて、今年の3月に法定に出頭したが、その後数ヶ月の間、裁判は開廷されていない。ルジャインと他の女性たちは、3月に非公開にされた法定の中で彼女たちが経験した虐待について説明したと、現場に近い関係者が述べている。

今回のケースは、昨年イスタンブールの領事館内でカショギを殺害したことに続き、欧州とアメリカで批判と憤りを巻き起こしている。権利団体は、ルジャインを含む少なくとも3名の女性が何ヶ月も独房に閉じ込められて、電気ショック、鞭打ち、性的暴行などの扱いを受けたと主張している。

サウジ当局は拷問の訴えを否定し、彼女たちの逮捕については、サウジアラビアの利益を損ない、国外の敵対勢力を支援した疑いによるものだと述べている。

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