2019年10月30日水曜日

低所得世帯の子供はスクリーンを見つめる時間が長い


裕福な家庭の子供はテクノロジーに触れる機会が多くなるが使う時間は短い。


Vox
Rani Molla
Oct 29, 2019

非営利メディア Common Sense のデータによると、家族の収入が年間35,000ドル以下の家庭に暮らす8〜18才の子供たちは、家族の収入が100,000ドルを超える家庭の子供たちよりも1日にスクリーンを見つめる時間が2時間近く長いという。

低収入世帯のティーン(13〜18才)たちは1日あたりおよそ8.5時間をスマートフォン、タブレット、ビデオゲーム、その他のスクリーン・メディアで過ごしていて、高収入世帯のティーンたちのその時間は6時間49分だった。低収入世帯のツイーン(8〜12才)たちは、1日の約6時間をスクリーン・メディアに触れて過ごしていて、高収入世帯ではその時間は4時間だった。

高収入世帯の子供たちはスマートフォン、コンピューター、テレビなど多くのものを所有している可能性が高いはずだが、それに関わらずこの結果になっている。

このデータはテクノロジーとの関わり方と同時に、育児や課外活動などを含む多くの社会経済学的な差異を反映したものだ。さらにこのことは所謂デジタル・デバイドというものの理解が反転していることも表している。今やテクノロジーにアクセスすることではなく、それを制限する能力の話になっている。

この傾向は過去数年に渡って極めて一貫したものだと研究を主導したビッキー・ライドアウトは話している。だが、この差異の理由と将来的な影響を理解し説明するには更に調査が必要だ。

「私たちは実際にこれが良いことか悪いことかということは言っていません、ただ違いがあるということです」とライドアウトは言う。「そしてこの違いを更に掘り下げて見たいと考えています」

しかし、ここから言える重要なポイントの1つはテクノロジーはエンターテイメントの安価な形態であるということだ。「お金をあまり持たない人にとって、スクリーン・メディアを見つめることは他の選択肢よりも価格的に効率の良いものです。」

更に彼女は「ある意味で、低所得世帯の人たちは他の生活分野、つまり、学習、他者とのつながり、情報アクセス、エンターテイメントなどを得る機会の不足をスクリーン・メディアで補っているといえるかもしれません」と付け加える。

だが、良い面もある。

「良い面の1つは有色人種の若者たちの多くがスクリーン・メディアに対して熱心であることです」とライドアウトは言う。「有色人種の子供たちはアーリー・アドプターでありイノベーターでもあるのです」。また、彼女はテクノロジーへのアクセスによって、DIYビデオを見て学んだり、ニッチな興味を探索したり、オンラインでコミュニティをみつけたりすることができることも指摘している。

だが、彼女は、スクリーン・メディアは多くのメッセージを伝えるものであり、その中には有害なものも含まれていることを警告している。

「メディアにはあらゆる部分にメッセージが包含されています。それは、体の見た目であったり、男女の関係、人種や民族に関するものかもしれません。全ての子供たちについて、こうしたメッセージがどんな影響を与えるのかを注意する必要があり、子供たちにこうしたメッセージを伝えようとするメディア媒体が存在することを十分に意識する必要があると思います」

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