2019年10月23日水曜日

人工知能は農業分野にどう助けになるだろう?


「農業の分野に於いて、機械学習や人工知能(AI)の未来はどのようなものになるでしょうか?」という質問が、質疑応答サイトに投稿された。


Forbes
Oct 22, 2019
Quora

農業の分野に於いて、機械学習や人工知能(AI)の未来はどのようなものになるでしょうか? こんな質問が、Quora(お互い質問や回答をし合うことで、世界中の知識を共有し、それを広げ深めるユーザーコミュニティサイト)に投稿され、農業関連データ分析企業Gro Intelligenceの創設者でCEOを務めるサラ・メンカーがそれに回答した。

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Answer by Sara Menker, Founder & CEO, Gro Intelligence, on Quora:

私たちの食べ物や衣服から車で使われるガソリンなど、様々な産業と同様に農業は私たちの日常生活に密接に関わるものです。そして、気候変動、限りある地球資源、不安定な公共政策、人工の増加、変化し続ける人間の嗜好(有機食品や植物性蛋白質などが好まれるなど)、こうしたものによって農業は打撃を受けています。今年だけでも、私たちは大きな供給危機を何度も経験しています。アメリカ中西部の水害や、貿易戦争、中国での作物や家畜の病気など、これらのことは農業がどれだけ予測不能なものであるかを浮き彫りにするものです。

幸いにも私たちは世界の農業市場の複雑な相互作用を理解して予測するためのデータをほぼ無限に採取できる地点に達しています。例えば、衛星画像は1日で50億ピクセルの地球の陸地の地理空間データを生成することができます。このデータはノイズが多く含まれていますが、これまでとは異なり、膨大なデータの蓄積から予測信号を見つけることができるようになっています。最新の機械学習技術と組み合わせることで、データサイエンティストたちは農業市場の複雑な動作を驚くほど正確に理解し、予測できるようになっています。ですが、私たちの集合的な知識にはまだ多くのギャップが残されています。また、農業市場は全体として多様であり、強力な処理能力を利用しないと理解できない複雑な相互依存関係も存在します。

例えば、今年になって値段が2倍以上になった中国に於ける豚の値段を考えてください。後から考えれば説明は簡単です。アフリカ豚コレラが発生し中国産の豚の供給が劇的に減少し、価格に敏感な購買者が市場から追い出されたのです。ですが、特に長期的な価格予測となるとそれほど単純ではありません。数年間に渡る中国の豚の価格を予測するためには、まずいくつかの細かい部分についての問題を解消する必要があります。例えば、中国の消費者は豚肉の代わりに何を食べるのか? 中国は国外から豚肉を輸入するのか? 中国の消費者はどのくらいの価格になれば豚肉から他のタンパク質に切り替えるのか? 中国の消費者を満足させるのに十分な豚が世界にはいるのか? アメリカとブラジルの大豆の価格はどうなるのか? こうした疑問のそれぞれの回答は最終的な価格に様々な割合で関与しています。そしてもちろん、ここでは再度アフリカ豚コレラが発生するといったような外的要因の発生は無いと想定されています。

幸い、テクノロジーはこのような相互に関連する複数の問題を同時に解決し更新することができるところまで進化しています。それを人工知能と呼ぼうが機械学習と呼ぼうが、いずれにせよこれまでとは違って、不足の可能性を予測する能力など、この星に食物を供給する産業にリアルタイムで知見を与えることができるはずです。

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