More proof that the human body is a breeding ground for nastiness. https://t.co/l6uoIOzORt— TONIC (@dailytonic) February 5, 2019
ウイルスは皮膚にも、肺にも、尿の中にもいる
TONIC
David Pride and Chandrabli Ghose
Oct 10 2018
もし自分がウイルスなんて持っていないと考えているなら、考え直さないといけない。理解しがたいかもしれないが、人間の体には大量の微生物が集まっている。ヒトマイクロバイオームとして知られるその微生物たちは人類と初期から共に進化してきたのだ。科学者たちは最近そのマイクロバイオームの内容について数を計測することを始め、38兆の細菌が住み着いていることが明らかにされている。そして更に興味深いのは細菌は私たちの体の表面と内部とで生きている最多の微生物ではない。その栄誉はウイルスに与えられるものだ。
私たちの中には380兆以上のウイルスが存在すると計測されていて、その集団はヒトヴァイローム(human virome)として知られている。だが、このウイルスは私たちが普段よく聞くインフルエンザや風邪、更に恐ろしいエボラ出血熱やデング熱のように危険なものではない。殆どのウイルスは人間の体の中にいる細菌に感染していて、こうしたウイルスはバクテリオファージ、もしくは短くファージと呼ばれる。人間の体はファージを繁殖する土壌になっていて、それも大量に存在しているにもかかわらず、私たちは自分の体の中でウイルスが何をしているのかをあまり理解していない。
私は医療系の科学者で特にウイルスに焦点を当ててヒトマイクロバイオームの研究をしている。それは私は自然界の究極の捕食者としての細菌の力を統制することが細菌の感染と戦って防ぐ方法を教えてくれることになると信じているからだ。ウイルスが人体の中で最も多い微生物なのだとすれば、ウイルスをヒトマイクロバイオームの研究の上で主な対象とするべきだと考えられる。しかし、この考えは大きく間違っているかもしれない。ヒトヴァイロームの研究はこれまでのところ細菌の研究よりも遅れていて、私たちは最も基本的な特徴をいくつか明らかにしただけだ。この遅れは、科学者たちがヒトヴァイロームの存在を認識するのに長い時間を要したこと、そして、ヴァイロームの中に実際にあるものを解読するための標準化され洗練されたツールが欠如していることが原因になっている。
私たちがヒトヴァイロームについて知っていること
私たちがこれまでの研究で学んだことがいくつかある。人体の中の細菌はその中や周りに存在するファージと愛し合っているわけではない。実際、彼らはファージを取り除いて感染を防ぐためにCRISPR-Casシステムを開発したりしている(CHRISPR-Casシステムは現在人間が編集を試みている)。何故だろう?それはファージは細菌を殺してしまうからだ。彼らは細菌の機能を乗っ取り、細菌ではなくファージを作り出させようとする。それが済むと彼らは細菌を破裂させ破壊してしまう。最終的にファージは私たちの体の表面に居着いて脆弱な細菌が通りかかるのを待つだけになる。彼らは基本的に細菌のストーカーなのだ。
私たちの体の表面では毎日毎時戦争が行われているのは明らかで、私たちはその戦争で誰が勝ったのか、あるいはどういう結果になったのか全く見当もついていない。ウイルスは私たちの体の内側にも外側にも存在している。研究者は人間の体を見るといたるところでウイルスを発見する。血液、皮膚、肺、尿、等々。簡単に言うと、ウイルスが人体の何処に住んでいるのか知りたい場合、何処に住んでいないのかを尋ねる方がずっと良い質問である。
ウイルスは人に移りやすいものだ。だが、私たちは細菌に感染するウイルスが簡単に共有されていることを頻繁に考えることはない。研究者たちは単に誰かと暮らしているだけでウイルスは素早く共有されることを明らかにしている。私たちの体の中の細菌とウイルスの間の絶え間ない戦いの結果を私たちはよくわかっていないが、あなたの配偶者、ルームメイト、犬さえも含めて全員のウイルスとあなたの細菌との戦いも考慮することになると話は更に複雑なものになる。
ウイルスをどう人間の健康に役立てるか
究極的には私たちは全てのウイルスが人間の体で何をしているのかを知って、ヴァイロームを健康促進のために役立てることができるかどうかを明らかにする必要がある。だが、現時点ではヴァイロームが役立つかもしれないと全ての人が信じる理由は明確にはされていない。
直感には反するかもしれないが、私たちの細菌に害を及ぼすことは私たちの健康に害を及ぼすことになり得る。例えば、私たちの健全な細菌叢が抗生物質の使用によって混乱させられてしまうと、病原体とも呼ばれる他の悪玉の微生物がその機会を利用して私たちの体に入り込んできて私たちは病気になる。つまり、私たちの健全な細菌は病原体の侵入を防ぐ上で重要な役割を果たしている。ここにウイルスの入る余地がある、ウイルスは既に細菌の殺し方を発見している。彼らはそのために生きているのだ。
なので、善玉の細菌には影響を与えずに悪玉から私たちを守る方法を既に発見しているウイルスを見つけることが競争になっている。最近実際に、利用可能な抗生物質の全てではないにしても殆どに対して耐性のある細菌による命に関わる感染症を治療するためにファージを成功裏に利用した例がある。この治療はファージセラピーとして知られている。残念ながらこの治療法はファージが人体の中でどのように振る舞うかについての情報不足とファージの導入で受け入れる人間に予期せぬ結果が起きる可能性によって妨げられ続けている。
それ故にファージセラピーは厳重に規制されている。現在の研究ペースだと抗感染治療としてファージを日常的に使えるようになるまでには多くの年数がかかる。しかし、長年の間私たちの体の中で進化を続けてきたウイルスたちは、これまでの過去のことだけでなく、これからも未来の人類の健康に重要な役割を果たすことになるのは間違いのないことである。
0 件のコメント:
コメントを投稿