Why do zebras have stripes? By putting black-and-white coats on horses, one group of researchers has confirmed a surprising hypothesis: The stripes deter biting flies, @edyong209 reports. https://t.co/6AovZ6NInv— The Atlantic (@TheAtlantic) February 20, 2019
普通の馬に黒と白の縞模様のコートを着せてみたところ、ハエが止まって刺すのを防ぐことが明らかになった
The Atlantic
ED YONG
FEB 20 2019
調査を指揮したティム・カーロが普通の馬にシマウマの模様がついたコートを着せるのは簡単なことだった。既にいくつかの会社が馬に着せる黒白模様のコートを販売している。これは普通は単に面白がるために使うものだ。しかし、カーロはこの覆いが期待以上に重大な効果を持っていることを発見した。「馬が縞模様のコートを着ることには膨大な利益があるのです」と彼は言う。
カーロはカリフォルニア大学デービス校の生物学者で、シマウマに縞模様がある理由について考えていた。この謎についての本まで出版している。彼は明確な解答を得るために同僚たちとイングランド南西部にあるヒル・リブリーという牧場で普通の馬と一緒に捕らえてきたシマウマを飼っている。このシマウマと普通の馬と、更にシマウマ縞模様がついたコートを着せた普通の馬とを比較することによって、研究チームはシマウマに際立った縞模様が存在する新しい証拠を発見した。それは、この縞模様は血を吸うハエから防御するために進化したというものだ。カーロはこれこそが縞模様が存在する唯一のもっともらしい説明だと考えている。
科学者たちは150年以上もの間、シマウマの縞模様の役割について頭を悩ませてきた。頻繁に提案されてきた説明の殆どはその都度反論され覆されてしまっていた。この縞模様はカモフラージュのためにあるのだという意見が出されたこともある。シマウマの輪郭を見えにくくしたり、木の幹の模様に似ていいるという主張だ。しかし、これは真実にはなり得ない。カルガリー大学のアマンダ・メリンはライオンとハイエナはかなり近づかない限り縞模様を判別することができないことを最近明らかにしている。別な仮説としては、縞模様の黒い部分は白い部分よりも温度が上がりやすいため、シマウマを冷やすための空気循環を作り出しているというものもあった。しかし、最近の研究で、水を入れたドラム缶をシマウマの毛皮で覆ったものと普通の馬の毛皮で覆ったものは同じくらいの温度上昇を示すことが明らかにされている。
そしてハエの説が残るのである。シマウマたちは虫に噛まれることに二重の意味で苦しめられている。1つは、彼らは多くの致命的な病気に感染しやすいことがある。アフリカ睡眠病、アフリカ馬疫、馬インフルエンザなどの病気はウマバエやツェツェバエによって媒介されて広まる。また、彼らは虫の攻撃に対して脆弱である。レイヨウのような他の草食動物と比べると体毛が極端に短いため、ハエは簡単に尖った口で血管を探し当てることができる。
そこで、何らかの理由で縞模様が助けになっているようである。2014年、カーロたちは縞模様のついた馬の仲間(3種類のシマウマと脚に縞模様を持つアフリカノロバ)が、ウマバエの多い地域に住む傾向があることを示した。そして、研究者たちは何年もかけて、こうしたハエは縞模様の表面に着地するのが困難であるように見えることを示したのだった。しかし、誰も実際のシマウマを虫が噛もうとしている所を見てはいなかった。これがカーロのチームがヒル・リブリーに行った理由だ。
馬小屋にいる馬とシマウマを観察し記録することによって、研究チームはウマバエは後者に上手く降りて止まることができないことを明らかにした。ハエはシマウマを見つけて寄っていくところまでは何の問題もないが、着地して止まることができない。「着地しようとして止まれるのはだいたい4分の1くらいです」とカーロは話している。「ハエたちはシマウマを刺して血を吸うことができないのです」
研究チームは縞模様のコートを着せた馬にも同様の傾向があることを発見した。同じ動物でも縞模様で覆ってしまえば突如としてハエに対してより強い耐性を持つようになる、覆いきれない頭部を除いては。そして、均等に色のついたコートにはその効果はなかった。縞模様は特別にハエたちを混乱させるのだ。
「記録した映像を見て、ハエたちは縞模様に入っていく時に単に減速しているわけではないことに気づきました」とカーロは言う。ハエはシマウマを見逃して通り過ぎるか、皮にぶつかって跳ね返されるかどちらかになる。明らかに何かが彼らに影響を与えているが、詳細はまだ謎のままである。カーロは、ハエが縞の黒い部分を2本の木だと考え、その間を飛ぼうとして白い部分に衝突しているのかもしれないと話している。あるいは、縞模様は、視野を横切って動く物体を感知するオプティカルフローを混乱させるのかもしれない。
ミネソタ大学で昆虫の視覚について研究しているパロマ・ゴンサレス=ベリードは後者のアイディアの方を気に入っている。昆虫は自身が動く速度と近くにあるものと自分との距離を測定するためにオプティカルフローを用いる。「一本の縞でも縞同士でもその太さと方向が一定ではないということが重要な点だと考えています」と彼女は言う。「これがハエが着地するための制御を困難にしている理由ではないでしょうか」(また、彼女はイカが色を変えることができる表皮を使って自身の表面を動く縞模様を作り出し、その「動く雲」を獲物のオプティカルフローを混乱させるために使っている可能性についても言及している)
もしゴンサレス=ベリードが正しいとすると、均等な縞模様のコートだと防御効果は薄くなるはずだ。カーロのチームはこの仮説も含めたさらなる実験を計画している。「今、私たちは縞模様のコートが実際のシマウマの縞模様と同様の働きをすることがわかったので、更に実際に色々試してみることができます」と彼は言う。「すごく幅の広い縞模様や違う方向の縞模様、グレーの模様などです。こうしたものがハエの行動にどう影響を与えるか見たいと考えています」
一方で、彼は乗馬業界へ助言することには慎重だ。「私は、乗馬用品の会社に騎乗者のための縞模様の服を売るべきだという提案はまだしたくはありません」と彼は言う。「まず先にもう少し研究を進めることが必要でしょう」
私は彼に更に重要なことを聞いた。縞模様のシャツを着ていればハエが刺してくることから自分の身を守ることができるのか?「私は今回の結果が出るまでその答えには慎重に返答してきましたが、今はそうでもないでしょう」と彼は話す。「シマウマの縞模様のTシャツはとても効果的なはずです」
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