2011年1月26日水曜日

人物検索

池澤夏樹著「カデナ」という本を読んだ。



こういう小説は感想を書くとネタバレしそうなので、とりあえず簡単に。ベトナム戦争当時の沖縄、当時はちょうど返還との逆目の時期、米国占領下の沖縄で生活する沖人々の生活と活躍を描いた話。ストーリー的にも面白かったし、沖縄の風土、沖縄戦等についても触れられています。中々面白かった。アマゾンで星の数で評価するなら4つはつけたい。5つじゃないのは、最後に明らかになる事実に伏線が足りないと感じた部分が少しあったから。




この本にはベトナム戦争当時に活躍した米軍の飛行機B-52の他、いくつか軍用機が登場する。当然作者はB-52について描写をするわけだが、とりあえずインターネットが使えればB-52について気軽に画像検索できることができるので、とりあえず検索してみてどんな飛行機か読んでいる間に確認した。
これがB-52

「カデナ」の主人公の一人はフィリピン人の母とアメリカ人の父の間に生まれたアメリカ兵の女性なのだけれど、彼女についても当然描写があるのだが、この組み合わせのハーフの人って僕らが具体的に思いつく人としてはどんなタイプの人だろう?

さすがにこれは検索するのは難しい。「母親:〜系フィリピン人」「父親:〜系アメリカ人」とか選択して検索するとそういう人をFacebook等から探して出してくれるサービスをどこかで始めたら需要はあるだろうか。日本人なら群馬県〜市出身と香川県〜市出身の両親から生まれた人とか。後は苗字もその人のルーツに関係しているはずで容姿を特定する要素になるかもしれない。

記号上の存在を実在の人間として紹介してくれる、という意味ではこんなサービスが存在する。
  1. バスト・ウェスト・ヒップのサイズを入力するとその条件に合致する女性画像を表示する「3 Size Search(スリーサイズ サーチ)」(viaGigazine
  2. 身長やスリーサイズ、バストサイズと合致するAV女優がヒット そっくりAV女優を簡単に探すサービス登場!?(via前から後ろから!
どっちも面白いんだけど、深入りしない。

Googleには「ウェブ」「画像」の他には「動画」「地図」「ニュース」等が今は並んでいるけれど、そのうち「人物」が追加されて、検索ワードと関係する人物をSNSから紹介してくれるサービスが出来るかもしれない。自分を売り込みたい人は個人でSEO対策をしないといけないということになるのか。


小説家が登場人物を描写し、その描写から読者がその風貌を想像する。読者によって思い浮かべる顔、姿は異なる。だから、例えば映画化されたときに配役に不満を語る人が出たりもする。その違いが映画やテレビドラマ、あるいはマンガとは違う文字だけの小説の自由度の高さで面白いところだと思う。

画像検索ができるようになって、その言語のイメージに該当する画像というのが検索エンジンによって提示されるようになった。インターネットの多様性という言葉とは裏腹に、多くの人々がある言葉から想像するものが検索エンジンによって徐々に統一されていくことになるのだろうか(それも検索エンジンとSEO業者によって)・・・。

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