2019年9月25日水曜日

一卵性双生児の兄弟に話を聞いた


自分とそっくりの人が常に周囲にいるというのはどういうことだろう? 同じ人を相手に寝たことはあるだろうか?


VICE
Niccolò Carradori
Mar 18 2017

「人は1人で生きることはできない」という諺は図々しい嘘であることを私たちはみんな知っている。私たちは本質的に孤独だし、みんながそのために惨めな思いをしている。その唯一の例外があるとするなら、一卵性双生児の人たちだ。彼らは多くの場合、少なくとも生まれてから何十年かはお互いの存在を意識しながら人生の段階を共有している。見た目もよく似ていて、同じことを経験している。

私は一卵性双生児の人たちに聞いてみたい疑問をずっと持っていたので、今回27才の一卵性双生児の兄弟であるマルコとジュリオに話を聞くことにした。彼らと友人になって数年になるが、未だに見分けるのに苦労している。私はついに彼らと一緒に座って、公式に長年温めてきた質問をぶつけることが出来た。

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VICE:自分とよく似た人がしょっちゅう周囲に存在しているというのはどういうものでしょう?

ジュリオ:もちろん良い面と悪い面がありますが、一般的に言うなら良いことの方が悪いことよりもずっと多いですね。常に仲間がいるので孤独を感じることがありません。退屈することもないですね、常に相棒、共犯者がいるのです。

マルコ:そうですね。私たちはいつもお互いの存在を前提にしています。私たちは多かれ少なかれ人生の経験を共にしています。私たちの両親は私たちになんでも2人でやらせることに自信を持っています。例えば2人で海外旅行にも行きましたよ。常に2人でいるので、お互いに後ろ盾を持っているわけです。例えば私たちには弟がいますが、彼だけで私たち2人と同じことはできないでしょうね。


味覚は同じでしょうか?

ジュリオ:私たちが双子であるせいなのかどうかはわかりませんが、食べものに関する好き嫌いは同じですね。ただ、私たちには凄く異なる部分もあります。


双子の人たちはよく似たような格好をしていませんか? 髪型や服装など、わざと異なるようにするのは難しくないはずではないでしょうか?

マルコ:子供の頃、まだ自分で判断ができない頃からです。両親は基本的に私たちに同じものを色違いで買ってきていました。赤が私で、青が彼でした。それで、成長してからも同じ習慣があるのです。わざと異なる見た目にしようと思ったことはありません。同じ美容院に通っていますし、髪型も同じです。おそらく時間と共に私たちの生活が異なるものになっていくに従って、着る服の種類などにも影響してくると思います。実際よくわかりませんが。


お互いが簡単に入れ替わることができるということを利用したことはありますか?

ジュリオ:学校では何回もそういうことがありました。私たちは寄宿学校に行っていたのですが、片方が病気になった時に、もう片方が代わりに授業に出ることがありました。しかし、宿題はできていないし、突然テストがあったりした時は、病気の方の人に悪い成績がつくことになります。基本的に学校では誰も私たちを見分けることができませんでした。実際、ある年のマルコの最終成績は私よりも良かったのですが、本当は私の方が良かったという時もありました。私たちが提出するレポートもたいていかなり似通ったものでした。先生たちはどっちが書いているか見当がつかないので、同じ成績を与えるしかなかったのだと思います。


お互いの考えていることが常にわかるというのは本当でしょうか?

その質問はよく聞かれますが、私はその答えは明白だと思っています。双子ではなかったとしても、誰か常に周りにいる人がいれば、ある程度その人の考えがわかってくるものではないでしょうか。私たちは人生で同じ瞬間に同じ経験をしてきているので、同じ様に考えたりもう片方が何かにどう反応するかがわかることが多いのは自然なことだと思います。


女の子が2人のどちらかに興味を持った場合、澄ました顔で入れ替わることができるわけですよね。そのことでトラブルになったことはありませんか?

ジュリオ:よくあることですが、私たちには戦略があるとだけは言っておきましょう。仮に彼が誰かに想いを寄せていることを知っている場合は、基本的に私は身を引きます。しかし例えば、私はある女の子とデートしていたのですが、結局うまく行かず、彼女はマルコと付き合ったということはありました。

マルコ:厄介な状況になったこともあります。大学時代私はある女の子と付き合っていたのですが、ある夜、私がその女の子と付き合っていることを知らないジュリオが彼女とバーで一緒になったのです。彼女は彼の隣に座ったので、彼は彼女に気づきました。彼女が私と付き合っていることを彼が知っていたら私のふりをして彼女を連れて行くことができたかもしれません。しかし、実際彼は彼女のことを知らなかったので、彼女は彼の反応から異変に気づいたようです。

ジュリオ:彼女の方が乗り気だと知っていたら、私は何かを試みたかもしれません。とりあえずその晩を私は無駄に過ごしました。


同じ女の子と同衾したことがありますか?

マルコ:あります。私たちが若い頃に時をずらして両方と付き合った女の子がいました。ある時から彼女はジュリオの方を見つめるようになり、よくそのまま家に泊まることもありました。当時私たち兄弟はベッドルームを共有していたので、ベッドを引き寄せて3人で寝ていました。こうしたことが続く中で、ある夜、彼女が服を脱ぎ始めたことがあるのを覚えています。時に女の子たちは私たちが双子であるという事実に興奮することがあるようです。


2人の関係はどのようなものでしょうか、私には特別で排他的なもののようにも想像できるのですが、その他の人間関係に影響はあるでしょうか?

ジュリオ:例えば、私たちのどちらかにガールフレンドができた場合でも、一緒にいることが多くてお互いの最新情報を交換し合っているという双子としての私たちの関係がある程度の状況を決定づけます。このことは完全に理解可能なことで、大きな問題になったことは一度も無かったと思います。

マルコ:私たちは常に友人を共有してきたので、友人たちのグループの中に2人で属していると考える傾向があります。それが変化したのは別々の大学に進むと決めた時でした。


双子であることが原因で最も恥ずかしい思いをした経験というとどんなことがありますか?

マルコ:2人で中国に旅行した時には奇妙な経験をしました。人々みんなが立ち止まって私たちに子供を抱かせて写真を撮るのです。私たちに触れると幸運を呼ぶと言って。私たちと写真を撮るためにちょっとした行列が出来ていました。


もしもう片方がいなかったら、あるいは成長していくどこかの段階で離れ離れになっていたら、どんな人生になっていたか考えてみたことはありますか?

ジュリオ:ありません。私たちの関係が離れることはありませんね。私は常に私のものとして彼を見ていますし、それはお互い様でしょう。

マルコ:全くその通りですね。

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