2019年9月20日金曜日

AI企業DeepMindがGoogle Healthに参加


DeepMindがGoogle Healthのチームに参加し、AI(人工知能)研究やモバイルツール開発を行う。


Health IT Analytics
Jessica Kent
September 19, 2019

Google傘下で英国のAI開発企業であるDeepMindがGoogleが進めるGoogle Healthサービスに参加することになったことをGoogle公式のブログが伝えている。人工知能(AI)及び、アプリケーション開発、データセキュリティ、クラウドストレージといった分野の専門化を担うことになるという。

DeepMindは過去3年の間に健康管理分野の複雑な問題に取り組むチームを構成している。同社のチームは今後Googleのチームと協力して健康管理をサポートし、病気になった患者の容態を改善するための製品を作り上げるために働くことになる。

Google Healthの英国担当責任者であるドミニク・キングは「私は英国の国民保健サービス(NHS)で外科医と研究者として働いた経験がありますが、その時に看護師や医師による重要な仕事をテクノロジーがどのように助けるのか、あるいは邪魔になるのかを直接見てきました」と語っている。

「世界最先端の病院であっても、未だに最前線の臨床医たちは使いにくいデスクトップパソコンとポケットベルに依存していて、それによって迅速かつ安全な医療行為の提供が阻害されているというのは注目に値すべきことです。」

DeepMindとGoogle Healthは敗血症や急性腎障害を防ぐことができる可能性のあるツールの開発を目指そうとしている。DeepMindはGoogle Healthと協力することで、患者の治療を目的とした多くのプロジェクトに加わることになる。同社は最近、ムーアフィールズ眼科病院とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン眼科研究所と提携して、50を超える眼疾患を正確に特定して医療的判断を支援するツールを開発している。

「現在、眼科医は眼疾患の状態を確認するために光干渉断層撮影法(OCT)を用いています。OCTは目の奥の詳細な3D画像を提供しますが、読みにくく専門化の分析を必要とします」とDeepMindはその時に説明していた。

「この映像を分析するのにかかる時間は、医療の専門化たちがしなければならない検査(ムーアフィールズ眼科病院で1日1000以上)と相まって、検査から治療までの時間の大幅な遅延に繋がる可能性があります。目の後ろ側の出血などのように緊急のケアを要する場合、こうした遅延によって視力を失うことに繋がってしまう可能性があります。」

また、DeepMindはアメリカ合衆国退役軍人省と提携して、機械学習を使った予測分析ツールを開発している。このプロジェクトは患者の悪化を特定して予防し、結果を改善することを目指している。

DeepMindはGoogle Healthとの提携後もこうした組織との協力は継続するとしている。

「研究面では、ムーアフィールズ眼科病院との協力では、専門医と同じくらい正確にスキャン結果から眼疾患を検出できるという大きな進歩がありました。また、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン病院と共同で癌の放射線治療についての研究を計画しています。さらに、アメリカ合衆国退役軍人省との協力で、現在可能な時間よりも最大48時間早く患者の悪化を予測できるようになっています」とキングは話している。

「Google Healthの一環として、3つのパートナー全てとの作業を継続して拡大することには大きな可能性があると考えています」

これらの提携関係を確実に成功させるために、DeepMindのチームは患者の医療情報の保護に取り組んでいる。

「医療情報は機密事項であり、私たちは適切な時間と注意を払って、パートナーの完全な同意と協力を得られるようにしてきました。その中で、私たちはパートナーに、私たちの計画を完全に理解して、私たちとの提携関係を継続するかどうかを選択してもらう時間を取ることもしました」とキングは言う。

「これまでやってきたのと同じ様に、私たちのパートナーは患者のデータを完全に管理していて、私たちは彼らの監視と指示の下で患者のデータを用いて改善の努力を進めていきます」

この新しい協力関係により、DeepMindとGoogle Healthは患者の治療の改善を進めていくことになる。

「DeepMindはこれまでの医療関連の成果を誇りに思っています。今後、Googleの専門知識と能力を活用して、世界中の何百万人もの患者を助けることができるようなツールや技術を開発することができると考えています」とキングは締めくくった。

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