2019年9月25日水曜日

スマートフォン依存症を物語る45の数字


増え続けるノモフォビア


techjuly
Deyan G.
March 18, 2019

ノモフォビアの皆さんこんにちは。

「ノモ…なんだって?!」

スマホで検索するのはちょっと待って欲しい。聞いたことがないという人たちのために説明しよう。スマートフォン依存症についての統計を見れば、私たちが携帯機器にどう依存して、それが私たちの健康や社会生活にどう影響しているか理解する助けになるはずだ。

では、ノモフォビア(nomophobia)とはどういう意味だろう? スマートフォン依存症について語る上で、まず正しい意味を知っておく必要があるだろう。ノモフォビア、nomophobiaとは、no-mobile-phone-phobia(携帯電話無し恐怖症)の略だ。携帯電話を持っていないと恐れを感じることを言う。

これは一般的な現象だろうか、それとも単に精神分析学者が自分の仕事を増やすために作った言葉だろうか? スマートフォン依存症に関する統計について調べてみたので、それを以下に紹介したい。

1.  66%の人はノモフォビアの兆候を見せている(Trendhunter)。

3人に2人はスマートフォン依存症の傾向を見せている。ということは誰でもそういう人と付き合っていることになる。よくわからなければ、最後まで記事を読めば見えてくるはずだ。

2.  「ノモフォビア」は2018年の「今年の言葉」になっている(Cambridge Dictionary)。

この言葉に票が集まったということは、2018年にはスマートフォンへの依存が現実に存在することを示している。

3.  スマートフォンは平均して1日に150回アンロックされる(Internet Trends, Kleiner Perkins)。

私たちは1日に大凡15回笑うらしい。その10倍の回数スマートフォンをチェックしている。

スマートフォンはこの10年で私たちの日々の生活に欠かせないものになった。この記事もスマートフォンで読んでいる人が多いだろう。私たちはそれを当然と思っているが、一度踏みとどまって考えて欲しい。


私たちはどの程度の頻度でスマートフォンを使っているのだろう?


4.  スマートフォンの利用者は1日に平均2時間51分スマートフォンと過ごしている(Bankmycell)。

一方で、私たちが家族と過ごす実質的な時間は1日に45分以下だという。

5.  スマートフォン利用者の58%が1時間に一回はスマートフォンをチェックせずにいられない(CNet)。

若い人たちの方がこの傾向は強まり、18歳〜34歳までの人の68%が1時間スマートフォンから手を話しておくのが難しいと感じている。

6.  ブラジル人は1日に4時間48分をモバイルデバイスをオンラインにして過ごしている(Statista)。

中国が2位で3時間3分、アメリカは3位で2時間37分だそうだ。

7.  スマートフォン利用者は1日に平均2617回スマートフォンにタッチしている(Dscout)。

スマホ利用者の10%にあたる「ヘビーユーザー」と称される人々が1日にスマホに触る回数は5427回!

8.  スマートフォン所有者の半分以上がスマートフォンのスイッチをオフにしない(Psychology Today)。

24時間365日起動しっぱなし。

9.  71%の人が、寝るときも携帯電話をすぐ脇に置いている(HuffingtonPost)。

3%の人が電話を持ったまま寝る。

10.  40%の人が深夜にもスマホをチェックしている(Deloitte)。

40%の人が深夜に目覚めた時に最初に手に取るのは携帯電話だという。

11.  スマートフォン利用者の80%が寝る1時間以前と目覚めて1時間以内にスマートフォンをチェックしている(Deloitte)。

そしてその80%の3分の1以上はその範囲が睡眠の出入りの5分以内だそうだ。

12.  成人の41%が1時間に数回電話をチェックしている(Gallup)。

13.  2018年、アメリカの平均的なスマートフォン所有者は1日に52回電話をチェックしている(Deloitte)。

47回だった2017年よりも増えている。

14.  75%のユーザーが少なくとも一度は運転中にテキストメッセージを打ち込んだことがあることを認めている(TrustMyPaper)。

実際、携帯電話中毒の研究では、スマートフォンは飲酒よりも道路を危険なものにしているという結果が示されている。

ここまで私たちはどの程度スマートフォンを使うのかというのを見てきたが、ここで疑問が湧く。私たちはテクノロジーを支配しているのだろうか? その反対だろうか? こうした統計的な数字は私たちの実際の生活にどう関係しているのだろう?


子供たちとその親たちがスマートフォン依存症にどう対応しているのか


ノモフォビアが引き起こす精神的な問題についても見てみよう。

15.  スクリーンを見つめる時間は、親子が言い争う原因で3番目に多いものである(Common Sense Media)。

親子の議論になるものは日常の雑事(35%)、寝る時間(33%)、電話の使用(31%)が殆どを占める。

16.  ティーン・エイジャー(13〜19歳)の58%が、人々は一般的に「通知(ノーティフィケーション)」に対して即座に返答することを期待していると感じている(Screen Education)。

そしてそれ故に

17.  ティーン・エイジャーの41%が毎日受ける通知の数に辟易している(Screen Education)。

18.  英国の親たちの46%がモバイルデバイスに「依存していると感じている」(Common Sense Media)。

奇妙なことに、英国のティーン・エイジャーで同様に感じているのは44%だけである。そしてアメリカのティーンは50%がそう感じている。

19.  63%の親たちがティーン・エイジャーの子供たちがデバイスに依存していると感じている(Common Sense Media)。

ティーンのスマートフォン依存症を心配しているのは英国の親たちだけではない。日本の親たちの61%が自分の子供たちが何らかのテクノロジー依存症である感じている。3番目はアメリカで59%である。

20.  ティーンの78%が最低でも1時間に一回はデバイスをチェックしている(Common Sense Media)。

21.  ティーンの48%が目覚めてから5分以内にモバイルデバイスを使い始める(Common Sense Media)。

22. ティーンの33%が親しい友人との時間を、直接会うよりもオンラインで多く過ごしている(Screen Education)。

ティーンの69%が親しい友人との時間を、直接会うよりもオンラインで多く過ごしたいと考えている。

直接会うことが社交の唯一の手段だった時代のことを覚えているだろうか。何にせよ、ティーン・エイジャーたちは外に出て直接人に会う場合でも、電話依存症の統計は次のことを示している。

23. ティーン・エイジャーの52%が友人と一緒にいる時でもスマートフォンを長時間見つめている(Screen Education)。


スマートフォン依存症はティーン・エイジャーたちにどう影響しているのか?


統計の数字を見てみよう。

24.  1日に5時間電動デバイスを使って過ごすティーン・エイジャーは1時間だけ使用する人と比べて自殺をする危険性が71%高くなる(Jean M. Twenge)。

スマホ依存は次のような統計も表している。

25.  8年生でソーシャルメディアのヘビーユーザーは鬱になる可能性が27%高い(Child Mind Institute)。

26.  1日に5時間電動デバイスを使って過ごすティーン・エイジャーの51%の睡眠時間は7時間以下である(Bankmycell)。

27.  ティーンの80%はベッドに入った後も電話を見て過ごしている(Screen Education)。

28.  スマートフォンの使用と鬱病には相関関係がある(The Guardian)。

今から20年以上前の1998年、アメリカのロックバンド「オフスプリング」が「Kids aren't alright(子供たちは大丈夫じゃない)」という曲を発表した。この曲は現在の2世代に渡る「大人」の懸念を言い当ててきたことになる。現世代の子供たちについての懸念は、これまで確認してきた統計の数字に現れている。

だが、これだけを指摘するのは公平ではない。大人の方がティーン・エイジャーたちよりも更に酷いのだ。


スマートフォン依存症は私たちの日々の生活にどう影響しているのか?


大人のスマートフォン・ゾンビたちの世界に入る前に、「依存症(addiction)」という言葉の定義を考えておきたい。「addict」という単語は1909年にモルヒネ中毒を表す語として使われた。元はラテン語の「addico」から来ていて、その意味の一つには「奴隷化された」という意味がある。大人たちもティーン・エイジャーと同じ様にスマートフォンに「奴隷化」されているのだろうか?

この記事のためにスマートフォン絡みの統計を見ていると、自分に当てはまるものの多さに驚かされた。この数字を見て、私たちがデジタル世界の何処にいるのかを確認して欲しい。

29.  スマートフォン使用者の85%が、友人や家族と会話している最中でもデバイスをチェックする(Bankmycell)。

85%! 私たちが社会生活を改善したいのであれば、スマートフォンの使用習慣を修正することが必要かもしれない。

30.  成人は平均して1日に45分間をソーシャルメディアに費やしている(Nielsen)。

毎日45分間という意味を考えてみよう。広告業者はこの数字に大満足だろう。願わくば利用する方も幸せであって欲しい。

31.  私たちは平均して人生のうち5年4ヶ月をソーシャルメディアに費やすことになる(Mediakix)。

私は2年間、無機質なページスクロールを経験した後にFacebookを止めた。そして解放されたと感じた。おそらく私は古いタイプの人間だということなのだろうが、私は他人が何を食べているのか、何処に出掛けたのかを知るために時間を無駄にしたくはない。もし私が本当にある人が何を食べているのか知りたい時は、彼に電話するか、もしくは直接会う方が良い。

なので私はとりあえずソーシャルメディアに関してはスマートフォン依存症の統計から外れた存在になって人生の5年間を取り戻した。多くの人にこうすることを勧めたいと考えている。だからといってお気に入りのソーシャルメディアを今すぐ止めろと言いたいわけではない。おそらく少し利用のペースを落とすだけで効果はあるだろう。


スマートフォン依存症は私たちの仕事の習慣を変化させている


32.  働いている成人の84%が自分の個人的な電話を仕事中に使っている(Deloitte)。

おそらく当てはまらない16%の人は電話自体持っていないか、職場で使うことを許されていないのだろう。私が知っている全ての人は仕事中に個人の電話を使っている。統計から電話は人の集中を妨げるものになることが示されている。仕事のプロセスからの休息(あるいは逃避)をもたらす。

この傾向はアメリカのだけのものではない。

33.  英国の労働者の75%は仕事中に自分の電話をチェックしている(YouGov)。

34.  ミレニアル世代の36%が、仕事の日に2時間以上、私用で自分の電話を見つめていると話している(Udemy)。

携帯電話に関する統計は、企業はこの労働力の「気晴らし」のために大金を失っていそうであることを示している。

35.  59%の人々が、個人利用のテクノロジーは仕事道具よりも気になると考えている(Udemy)。

そして注意力を奪う最大勢力は何だろう? 答えはFacebookだ。このソーシャルネットワークは注意を引く最大のものであると86%が答えている。

36.  「アラートと通知機能によって頻繁に中断されていることは、病的な集中力不足の原因になっている可能性がある」(Silence Your Phones

37.  ある研究では電話から離されることで心拍数や血圧の変化を経験する人がいることが確認されている(The Extendet iSelf)。

この研究では、被験者たちを携帯電話から離したことで、血圧が高くなり心拍数が増加する人がいた。このような身体的な変化は「電話に中毒性はあるか?」という疑問への答えを示唆している。

人々はなぜここまで電話に執着するのだろう? 長時間スマートフォンを使うと人間は脳内でドーパミンを多量に分泌させる。ドーパミンは脳の報酬系の一部である。より多くの報酬を受ければ受けるほど、より欲深くなっていく。これによって、習慣が確立される。

では、私たちはどうすれば良いのだろう。

38.  63%の人が電話の使用を制限しようと試みている(Deloitte)。

統計によると、そのことに成功した人はそのうちの30%である。

39.  就労者の43%が注意を逸らすことから逃れるために自分の電話の電源を切っている(Udemy)。

少なくとも、労働者の半分近くの人は生産性を上げる方法を見つけているようだ。

40.  18〜34歳の人の60%、そして全体の40%近くの人が自分は電話を使い過ぎていると話している(Deloitte)。

スマートフォン問題を解決する必要があることをより多くの人が認識してきていることは良い兆候だ。


スマートフォン依存症に打ち勝つためにはどうしたら良いのか?


一歩一歩ゆっくり進めるべきだ。スマートフォンをどこかに鍵をかけてしまい込む必要はない。おそらくそれは効果的ではないだろう。まずは2つの場所から進めることができる。

1. ベッドルーム

普通の目覚まし時計を用意して、ベッドルームを電話禁止区域にしてはどうだろう。実際、ベッドでは電話は必要ないだろう。

2. テーブルについた時

友人たちと食事をする時には電話を手放すようにしよう。それで会話と食事そのもの両方を楽しむことができるようになるだろう。オンラインのチャットではなく、人と直接話をすることは爽快なものである。ほとんどの人は噛み付いてくることはない(人間に噛みつかれて救急病院に来る人は全体の0.3%だそうだ)。

今こそスマートフォン依存症が現実に存在していて、その証明が統計に表れていることに気づくときだ。そしてもう一つ問題を回避するためにやることがある。通知機能をオフにすることだ。

起こったことを見たいという衝動を抑えることで、電話の必要性を徐々に下げることができる。そのために必要なことは、頭の中で狂った人のように叫び続ける小さな声を遮断することだ。「おーい、電話が光ってるぞ。何かが起こってる、早く見るんだ」 コカインでご機嫌になった妖精が叫ぶような声が聞こえるのは私だけかもしれないが、言いたいことはわかるだろう。


スマートフォン依存症に関する興味深い統計値


41.  アメリカ人の75%がトイレで携帯電話を使う(Cnet)。

このことを誇りには思わないが、私も使う。トイレは私の王国であり、私に王位があるのだからそこでは王様になろう。

42.  アメリカ人の19%がトイレに電話を落としたことがある(Cnet)。

私も落としたことがあり、新しい電話を買わざるを得なかった。今では前より注意深くなっている、皆さんもそうするようにお勧めしたい。だが、統計によれば、全てのスマートフォンユーザーが自分のトイレでこの問題を抱えるわけではない、なぜなら…

43.  世界ではトイレを所有している人よりもスマートフォンを所有している人の方が多い(TheRichest.com)。

メールをチェックしたりゲームをプレイしながら、森の中で小用を足すというのはきっと素晴らしい気分だろう。

44.  20%の人は、1週間電話の使用をやめるよりも靴を履かないで生活する方がマシだと考えている(Psychology Today)。

心理学者はこの調査をどうやってやったのだろう。「裸足で1週間過ごすのと、1週間電話を使わないのとどっちが良い?」と聞いて回ったのだろうか。

45.   18〜34歳の人の20%はセックスの途中でもスマートフォンを使っている(TheRichest.com)。

この数字を説明するために別な調査が必要だった。セックスの途中に電話を持ち出す最も一般的な理由は動画を撮影することか、あるいは行為の写真を撮ることだ。こうした行為の最中に電話を持ち出すということは、電話に対する中毒性が存在する確実な指標ではないだろうか。


結びに


ノモフォビアについて、そしてそれが私たちの社会にどう影響しているのかを見てきた。問題点を伝え、スマートフォン無しでは生きられなくなってしまっている人の助けになるようにしたつもりだ。ますます多くの人たちが、テクノロジーを自分自身の拡張、つまり拡張自己だと感じるようになってきている。

私たちの多くは電話が手元にないと不安を感じるようになっている。だからこそ、それを変化させることを学ぶことから得るものは大きいかもしれない。私たちが中毒性のあるものをポケットに入れずに外に出て人々と交際することは良いことのはずだ。

スマートフォン依存症に関する統計は単なる数字ではない。この数字は実際の人間を表していて、おそらく私たちそれぞれが何処かに当てはまる所があることを認識したはずだ。携帯電話を手放すことが良いことなのかどうか、誰が答えを知っているだろう? 結局のところ、それで少しでも人生を楽しむことができるなら、きっとそれで良いのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿