2019年1月22日火曜日

海水淡水化装置の綺麗じゃない真実


海水を飲料水に変える装置が出す副産物


EARTHER
Yessenia Funes
1/15/19

中東やアフリカ諸国の他、飲料水不足に悩む国々は海に向けるようになっている。177の国で淡水化装置が設置されていて、海水から飲料水を作るのに役立てている。残念なことに、こうした装置は多大な廃棄物を生み出している。

最近、国連大学水・環境・保健研究所が専門誌に発表した論文によると、こうした淡水化装置は世界的に副産物として化学物質を含んだ濃塩水を膨大に作り出している。1年に生産されるその量は約1フィートの高さでフロリダ州が覆われるくらいの量だ。

この研究では、1リットルの淡水を生産するにあたり平均して0.4ガロン(1.5リットル)の高濃度の塩水が作り出されていると記している。世界には15,906箇所に淡水化装置があり、毎日375億ガロン(1,420億リットル)の濃塩水を作り出している。この濃塩水の排出量は中東の4カ国、サウジアラビア、クウェート、カタール、UAEだけで半分以上を占める。

この研究を主導したのはカナダ、オランダ、韓国の研究者たちだが、彼らは淡水化装置が邪悪なものだと指摘しているわけではない。彼らはこのレベルの浪費には対策が必要だと注意を与えている。この濃塩水は未処理で池にして溜めておくことはできず、海や下水に流したりするべきでもない。処理は立地に依存しているが、井戸に流し込まれたり蒸発させるための池に溜められたりしない限りは海か下水道に流されてしまっている。高濃度の塩水、及び、銅や塩素等の化学物質は海の生物たちにとって有毒なものになる可能性がある。

「濃塩水が海に注入されると海中の溶存酸素が激減してしまいます」と、この論文の主筆者であるエドワード・ジョーンズがプレスリリースで述べている。ジョーンズは以前は国連大学に勤務していて、現在はオランダのヴァーヘニンゲン大学で研究を続けている。「高濃度の塩水で溶存酸素量を減少されることは底生生物に深刻な影響を及ぼす可能性があり、そうなれば食物連鎖全体に生態学的な影響を及ぼすことになります」

論文では、この副産物を不適当に投棄するのではなく、経済的価値を生み出す形で再利用することを提案している。作物の中には塩水を許容するものがあり、それを利用してはどうか?水力発電に利用してみてはどうか?含まれるミネラル(塩、塩素、カルシウム)を回収してはどうか?私たちは少なくともこの濃塩水を処理して安全に海に放出できるようにするべきである。

淡水化装置に大きく依存している各国は、これ以上資源を侵食されたくないのであればこの分野を先導していかなければならない。そして、この問題は淡水化装置に対する依存が更に大きくなる前に解決しなければならない。

淡水化装置の技術は低価格になってきていて、水を必要とする低所得の国家でも役立てることが可能になるかもしれない。濃塩水の問題は現在の問題であり、その時の未来の問題として残すべきものではない。

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