2019年1月13日日曜日

インターネットトロールになる方法


どんな人でもインターネットに不快な投稿をしてしまう可能性があることを研究が示している。


TONIC
Denny Watkins
Feb 22 2017

インターネットトロール(煽り、荒らし)はその技術に置いて闇の達人のような存在に見える。もし文法的に微妙な投稿があった場合には、それを正確に訂正するコメントをつけるだけでネット上の善良な市民を激怒させ、あらゆる種類の生産的な会話を遅らせることができる。私たちにとっての唯一の慰めはトロール自体の人数が多くはないことだ。彼らは両親の家の地下室に身を潜めてウェブに惨めなものを広めているだけの人たちだと私たちは考えている。

こうした仮定は間違っているかもしれない。スタンフォード大学とコーネル大学による新しい研究では、条件が合えばどんな人でもインターネット上に不快な投稿をする可能性があることを明らかにしている。「一般的なネットユーザーも雰囲気や議論の文脈でそうした行為を促された場合にはトロールになり得るのです」と研究者たちは今月末にポートランドで開催された国際学会で発表された研究に記している。

コンピューター科学者たちは何がインターネットトロールとしての行動を引き起こすのか理解するために、ネット上の反社会的な行動について深く掘り下げた。この研究は、667人の被験者を対象にした実験と数ヶ月間に渡ってCNN.com上の1600万件以上のコメントを分析したものとを組み合わせたものだ。彼らが示したトロール的な行動になりやすい以下の5つの条件は次にあなたが怒った状態でコメントを投稿したくなった時のために覚えておくべきものかもしれない。


機嫌が悪い


この研究では、まず被験者たちに論理学、数学、ワードスクランブル等のクイズ15問を解答してもらう。被験者の半分にはごく簡単なもの、残りの半分にはより難易度の高いもの(平均正答率が15問中2問程度)を出題する。その後、被験者たちはヒラリー・クリントンについての短い記事を読まされ(この実験の時期は2016年の大統領選挙の数ヶ月前だった)、その記事の下にあるコメント欄の議論に参加して、匿名でコメントを投稿する、誰かのコメントに返答する、他の人のコメントを評価する、このいずれかをする。その結果、直前に無理なクイズをやらされてその日を台無しにされている人たちの方がトロール的なコメントを投稿する確率が89%高かったことが明らかにされている。(個人の政治的志向からだけではこの結果は説明できなかった。実験の被験者の半分は民主党支持者であり共和党支持者は21%だけだった。この比率はこれらの大学のある土地柄としては自然なものである)


別なトロール行為が既にある


トロール行為で苛立たされることの1つは、公共での議論が知らない人同士の非難と侮辱の応酬に変貌させられてしまうことだ。この調査ではコメントを投稿する人を操作するのが如何に容易であるかが明らかにされている。研究者たちがトロール的なコメントを議論のスレッドに投稿した時、被験者がそれに追随して否定的なコメントをする確率は68%も高くなった。「被験者が最初に記事を読んだ時にはネガティブな感想を持っているのかもしれないが、自制心かあるいは周囲の環境によりそうした感想を率直に表に出す可能性は低い」と調査結果には書かれている。しかし、誰かが既に怒りを顕にしているのを見ると、それと同じトーンか更に強く表現する許可を暗黙のうちに出してしまうのだ。


寝るべき時間を過ぎている


疲労困憊している時に幸せな人はいない。遅くまで起きていると機嫌がさらに悪くなることがある。研究者たちはCNN.comの2012年12月から2013年8月までの1650万件の投稿を分析した。そのうちの50万の投稿が虐待性のあるものかガイドラインに違反したものだった。更にこのデータを調べたところ、午後11時から午前5時の間に問題のあるものが投稿される可能性が高いことがわかった。そしておそらく驚くようなことではないが、こうした問題のある投稿は金曜日や土曜日のような週末ではなく、仕事に戻った月曜日にされる可能性が高い。


トロールの論理で考えようとしてしまう


トロール行為の専門家のレベルまで堕ちたわけでなくても、その行為の捻れたロジックは頭に残る。CNNへの投稿の分析によれれば、トロール行為として分類された投稿が1つでもあった議論に参加した場合は、その場でトロール的なコメントをしたわけではなくても、後でトロール行為に分類される投稿をする可能性が高くなる。また、トロール行為として認定されて投稿を削除されるという経験をすると、その後も問題があると判断されるコメントを投稿する可能性が上昇する。


返信に即答する


F5キーを押し続けて自分の投稿に誰が返答するのか確認し続けているような場合は、悪い意味で議論をエスカレートさせる兆候だ。同じスレッドに再度投稿するまで5分しか間隔のない人は10分間待ってから投稿する人と比べて問題のある投稿をする可能性が高くなる。しかし、時間を置くことでカッとなった頭が冷静になるということなのか、時間を置いて投稿する人は元々落ち着いた人だということなのかは完全に明らかにされてはいない。「より良く衝動制御ができる人は、怒っている時には再び投稿をするまでにより長い時間を置くのかもしれない」と研究者たちは記している。

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